◆第68回大阪杯・G1(3月31日、阪神・芝2000メートル)追い切り=3月28日、栗東トレセン
春のG1シリーズ第2弾、第68回大阪杯・G1(31日、阪神)の出走馬16頭が28日に確定した。ベラジオオペラは急きょ追い切りを木曜に変更。初のビッグタイトルを狙う陣営の思惑と状態を、山下優記者が「見た」で迫る。
水曜までの降雨による馬場悪化を受け、ベラジオオペラは急きょ追い切りを28日にスライド。本命候補だけに「G1当週の予定変更か」と疑心暗鬼になりながら最終追いを見守った。
朝一番の栗東・CWコースでセオ(4歳3勝クラス)を2馬身追走する形でスタート。後肢の筋肉が躍動し、少しずつ差を詰めていく。直線でも持ったままで加速すると、6ハロン83秒4―11秒3で頭差で先着。ゴールした後も勢いよく流しており、まずは体調の不安がないことに安心した。
前走後はこれで6本の時計を出したが、その全てで騎乗したのが上村調教師だ。「(不良馬場だった)昨日より馬場状態がよかった。細心の注意を払ったが、いい追い切りができた。変わらずにいい状態で出せると思う」と力強くうなずいた。
1週前の20日には、6ハロン80秒9(7ハロン97秒3)―11秒2でいっぱいに追われており、その時点でほぼ仕上がっていた。あとは微調整で、最終追いで万が一のアクシデントだけは避けたいところ。そう思えば、木曜追いに変更したのはむしろ当然。19年の厩舎開業から、10→19→25→32→40勝と、毎年勝ち星を増やしてきた指揮官が、最高のオペラを上演するべく、大胆かつ、柔軟にタクトを振ったのだと納得した。
阪神・芝2000メートルは、2走前にチャレンジCを勝っている。「昨年の菊花賞をパスした段階で、春は大阪杯と決めていた」と逆算して、京都記念2着を挟んで駒を進めてきた。昨年のスプリングSで、厩舎初の重賞勝ちを決めたのがベラジオオペラ。「うちの厩舎で一番、G1に手が届くところにいる。この馬で何とか」というトレーナーの言葉が印象に残った。(山下 優)