◆第84回桜花賞・G1(4月7日、阪神・芝1600メートル)
24年のクラシック戦線は、7日の第84回桜花賞(阪神)で開幕する。出走馬を様々な角度から分析する「考察」は、玉木宏征記者が担当。「プロローグ」で注目するのは、前走クイーンCを勝利して挑むクイーンズウォークだ。同馬を送り出す中内田厩舎&川田将雅騎手(38)というコンビは、昨年、牝馬3冠に輝いたリバティアイランドと同じ。“チーム”で桜花賞連覇なら史上初となる。
リバティアイランドが単勝1・6倍の断然人気に応えて桜花賞を勝ち、牝馬3冠の序章を飾ってから一年。今年も中内田厩舎、川田騎手、馬主サンデーレーシング(生産ノーザンファーム)の陣営が良血を送り込んできた。
前走クイーンCを勝って本番に挑むクイーンズウォークは、先述のコンビで20年の朝日杯FSを勝ったグレナディアガーズ(父フランケル)の半妹。朝日杯FSは今回と同じ阪神外回りのマイル戦で、兄はその後も21年阪神C・G2を勝つなど阪神を一番得意とした点は強調できる。
現時点で、同時期の兄より約60キロ大きく、前走は516キロ。中内田調教師はクイーンズウォークを「グレナディアガーズを牝馬にしたような性格。体を見たら、誰もがきょうだいと思わないほど全然違いますよね」と評し、「ポテンシャルは受け継いで、お父さんの方を出す感じ。いいお母さんですよね」と感謝。重戦車のような体で特に1400メートルで好成績を残した兄に対し、父がキズナに替わった妹は、脚長でスラッとして距離がもちそう。クイーンCも折り合いには苦労せず、大外を豪快に伸びての勝利。早くから東京遠征も経験させて、陣営がオークスまで見据えているのは間違いない。
クイーンズウォークはパワーもある印象で、道悪になれば評価を上げようと考えている。“チーム”で連覇となれば史上初の快挙。3日の最終追い切りには川田騎手が騎乗予定で、中内田師とともにどのようなコメントが出るのか注目している。(玉木 宏征)
川田史上初の3連覇なるか
○…川田は22年もスターズオンアースで勝利。これまで桜花賞を連覇した騎手は6人で、3連覇なら史上初。調教師の連覇は53年カンセイ、54年ヤマイチの尾形藤吉元調教師のみ。クイーンズウォークが勝てば中内田調教師が70年ぶり2人目となる。