【桜花賞】無敗の2歳女王アスコリピチェーノに初めて土…黒岩調教師「次は巻き返したいです」

3/4馬身差の2着に終わったアスコリピチェーノ(右)
3/4馬身差の2着に終わったアスコリピチェーノ(右)

◆第84回桜花賞・G1(4月7日、阪神・芝1600メートル、良)

 第84回桜花賞は7日、阪神競馬場の芝1600メートルで行われ、2番人気のステレンボッシュが、この週から短期免許で騎乗するジョアン・モレイラ騎手(40)=ブラジル=を背にG1初制覇。1番人気の2歳女王アスコリピチェーノを押さえ、昨年の阪神JFの雪辱を果たした。

 必死に食い下がった。ラスト2ハロン手前。中団から運ぶアスコリピチェーノは内にいたステレンボッシュの加速についていけない。しかし、馬体が離れた瞬間だ。北村宏の左ステッキが女王のプライドを呼び起こした。ライバルを目標に再び加速を開始。闘争心を乗せるような末脚でジワッと差を詰めていく。しかし一瞬、馬体を合わせるのが精いっぱい。3/4馬身差の2着で、無敗の2歳女王に初めて土がついた。

 北村宏は「4コーナーで少し手応えの苦しい部分があって、勝ち馬に割って出られました。そこからゴールまで食いしばって、頑張ってくれたけど、その差が詰められなかった」と悔しそうに振り返った。阪神JFからの直行。その前走と同じように栗東滞在で仕上げた大一番だったが、結果だけが違っていた。

 女王の座は防衛できなかった。ただ、黒岩調教師は前を向く。「ジョッキーはうまく乗ってくれたが、勝ち馬がそれ以上にうまかった。次は巻き返したいです」。初の敗戦にもしっかりと伝わった底力。反撃の時は、きっと来る。(山本 武志)

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