滋賀県の栗東トレーニングセンターで4月15日、10日に落馬事故で逝去した藤岡康太騎手(享年35)の日本中央競馬会と日本騎手クラブによる、合同葬が行われた。祭壇には笑顔の藤岡康騎手の写真が大きく飾られていた。
東西からたくさんの騎手、調教師、馬主ら関係者が集まり、故人に別れを告げた。
競馬学校23期の同期の浜中俊騎手(35)は涙を流しながらも、同期の絆を感じさせる熱い思いを空の上に届けた。
浜中俊騎手「康太。今日はこんなにたくさんの人が集まってくれて、よかったな。一般のファンの方も来てくれたみたい。本当によかったな。(同期の)丸田が食あたりになったらしくて、来られていないんだよね。ありえないと思って、説教してやろうと思ったけど…。あいつは昨日、福島のメインで康太が乗った馬に乗って、しっかり勝ってたよ。めちゃめちゃかっこいいレースをしていたよ。だから許してあげよう。俺が弔辞を読むことになったと聞いて、心配していると思うけど、最後まで聞いてやってな。康太とは15歳のときに競馬学校で出会って、20年たつから、俺の中では康太が一番の親友であり、ライバルであり、本当に特別だった。誰にでも優しくて、気配りができて、人が集まって、人気者だったよな。そんなところが最大の良さだと俺は思っている。初騎乗初勝利で、ジョーカプチーノでG1を勝って、帰ってカプチーノを飲みますって言ってすごく滑って、でもそんなところもやっぱり華があったよね。去年のナミュールは乗り替わりで素晴らしいレースだった。あれは康太でなければ勝っていなかった。本当に誇らしかったです。もっと騎手を続けたかったよな? 康太が一番悔しかったと思うし、もっともっと活躍すると思っていた。康太の分は、俺たち23期がしっかり頑張るから。奥さんや子どもの分もしっかり頑張って、俺たちが助けるから。ちゃんと見ててな。康太に会えてよかった。康太が同期でよかった。今まで仲良くしてくれてありがとう。康太は23期の中で宝物です。本当にお疲れさま」