【天皇賞・春】今年全国6位の15勝 新進気鋭の調教師がG1初制覇に向けブローザホーンに課した“鬼調教”

ブローザホーンに騎乗の菅原明は気合が入る
ブローザホーンに騎乗の菅原明は気合が入る

◆第169回天皇賞・春・G1(4月28日、京都競馬場・芝3200メートル)

 第169回天皇賞・春・G1(28日、京都)の枠順が25日、決定した。開業5年目の吉岡辰弥(48)=栗東=は、ブローザホーンでG1初制覇を目指す。馬券は即PATなどで26日18時30分から発売される。

 開業5年目の吉岡調教師が、ブローザホーンで初のG1タイトルを視界に入れる。前走の阪神大賞典は1番人気に推されたが、終始かかり気味で3着に敗れた。吉岡調教師は「栗東トレセンで調教している時と、競馬場での雰囲気、走り方が全然違う馬だと感じました」と転厩初戦で迎えたG2を振り返った。

 厩舎一丸となって課題修正に取り組んできた。前走後は放牧を挟む予定だったが、在厩調整を選択。先行させて後ろから突つかれる調教、3頭併せの真ん中に入れてプレッシャーをかけたり、わざと折り合いを欠く状況をつくって調整に工夫を凝らした。ハミも換え、トレーナーは「冷静に走れて、しっかり我慢もきいています」と進境に満足げな表情を浮かべる。

 デビュー6年目の主戦・菅原明が24日の最終追い切りに駆けつけ、坂路(55秒0―13秒3)で好感触をつかむ。「毛づやや(馬体の)張りがまたさらに良くなっていて、前走よりも調子が上がっているなと感じました。すごく楽しみです」と厩舎、馬、自身も初めてのG1制覇を見据えた。

 吉岡厩舎は今年はすでに15勝を挙げ、全国リーディング6位。キャリアハイだった、昨年の38勝を上回るペースで勝ち星を積み重ねている。新進気鋭のトレーナーは「いろいろなオーナーに良くしていただいて、ここまで厩舎は盛り上がってきています。力を出し切ればGIでも頂点に立つ力のある馬です」と信頼。厩舎力を存分にアピールし、ノーブルロジャーとディスペランツァの有力馬2頭がスタンバイする来週のNHKマイルCに最高の形でつなげてみせる。

 ◆吉岡 辰弥(よしおか・たつや)1976年3月2日、京都府生まれ。48歳。栗東・藤岡範士厩舎、角居勝彦厩舎、中竹和也厩舎を経て19年度の調教師免許試験合格。20年3月に栗東で開業し、JRA通算959戦116勝。24年のシンザン記念(ノーブルロジャー)など重賞4勝。

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