◆第74回安田記念・G1(6月2日、東京競馬場・芝1600メートル)
第74回安田記念・G1(6月2日、東京・芝1600メートル)の考察「前哨戦」は復活迫る一頭に注目した。
過去10年で勝利数が最も多いステップレースは、ヴィクトリアマイルとダービー卿CTの2勝。ヴィクトリアマイル組はソングラインの連覇(22&23年)だけ。ダービー卿CT組は16年を最後に馬券圏内もない。そもそも3着内馬の前走は計15レースと幅広く、内容をしっかり吟味する必要がある。
大阪杯で上がり3ハロン2位タイ34秒2の末脚で4着まで追い上げたステラヴェローチェに注目する。3歳クラシックで〈3〉〈3〉〈4〉着と好走し、同年の有馬記念でも小差4着。屈腱炎で1年7か月の休養を挟み、徐々に調子を上げて復帰3戦目となった2走前の大阪城Sで復活Vを果たした。
続く前走の大阪杯は序盤の進みが悪く、道中は内に閉じ込められる苦しい位置取りに。酒井は「前めのポジションを取れればと思っていましたが…」とコメント。ただ「次からは競馬がしやすくなると思います」と前向きな面を示していた。
言葉通りに22日の栗東・CWコースでは6ハロン77秒2の自己ベストを更新。2歳時に1600メートルで重賞を勝っており、朝日杯FSでも2着。復帰戦は昨年の富士S7着だったが、安田記念並みの前後半3ハロン34秒0―34秒7の厳しいペースを2番手で追走。直線で息切れはしたが、久々のマイルで流れに乗れた点を見ると適性は十分にある。
さらに言えば、距離短縮組は過去10年のうち7年で8頭が馬券に絡んでいる。21年の覇者ダノンキングリー、17年2着のロゴタイプは8番人気。14年3着のショウナンマイティは10番人気。高配当の使者としてステラヴェローチェをピックアップしておきたい。(浅子 祐貴)