◆安田記念追い切り(29日・栗東トレセン)
春のマイル王決定戦、第74回安田記念・G1(6月2日、東京・芝1600メートル)の追い切りが29日、東西トレセンで行われた。悲願のG1制覇を狙うソウルラッシュは3年連続の出走。進化を続け、坂路で万全の仕上がりをアピールした6歳馬を玉木宏征記者が「見た」。
ソウルラッシュが6歳にしてなお、進化している。29日の最終追い切りで、その思いはさらに強くなった。栗東・坂路を単走で、鞍上が軽く手綱を揺すっただけで53秒1―12秒1。うなるような気合乗りで、ぶれずに駆け上がった。池江調教師も「先週(CWコースで6ハロン81秒5―10秒9)がシャープに動けていたし、きょうはオーバーワークにならないように。動きは良かったし、息の入りも非常にいいですね」と、ケチのつけようがないといった表情だ。
これまで何度も◎を打ってきたが、いい意味で驚かされたのが前走時の1週前追い切り。栗東・CWコースで横から見た時に、以前とは違ってピッチが利いて回転が速いフットワークだった。首をグッと下げたフォームも印象に残り、担当の橋口助手に「どうしたんですか!」と興奮気味に聞きに行くと「もともとバランスは良かったんですが、芯が入りました。それにしてもホントにソウルラッシュが好きですね」と苦笑いされたが、お褒めの言葉をいただけたと自負している。
過去3年で5着以内を外したのは2回。ともに安田記念だが、22年(13着)は直線で前が詰まったもの、昨年(9着)は硬さがあって完調でなかっただけ。池江調教師からも「去年の春よりだいぶいい。(併せ馬の先週は)抜け出しても集中。前向きさが出て、今が一番いい」と歯切れがいい言葉が続いた。
モレイラの騎乗も、安田記念参戦も3回目。一昨年と今年の読売マイラーズCを稍重で完勝したように、週末の雨予報も大歓迎だ。生涯最高の出来にあるだけに、三度目の正直で悲願のビッグタイトルを手にする可能性は大きいとみている。(玉木 宏征)