15日は門別競馬場で北海道スプリントカップ(Jpn3)、そして18日は札幌競馬場で夏競馬の大一番・札幌記念(G2)が行われる。昨年ほどの猛暑は少なく、例年のような短い夏を思わせる気候だが、レースシーンは最も熱い1週間となる。
北海道スプリントカップは、昨年まで5月下旬から6月上旬に、3歳以上の交流重賞として行われていた。しかし、新ダート体系に伴い、3歳はクラシック路線と並行して短距離路線も整備され、各ブロック(北日本、東日本、中日本、西日本)で覇を競うネクストスター競走、1400メートルに距離短縮された園田の兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)、そして北海道スプリントカップという流れになった。
カテゴリーを分け、早い段階からスペシャリストを生み出し、どの交流重賞もレースレイティングを上げていくことが最大の目的だが、3歳限定でワンターンの交流重賞が創設されたことは、JRA勢にとっても大きい。狭き門のなか、兵庫チャンピオンシップを逃げ切ったエートラックス(牡、栗東・宮本厩舎)、出遅れながら2着に食い込んだチカッパ(牡、栗東・中竹厩舎)、3連勝でオープン入りを果たしたエスカル(牡、栗東・森秀厩舎)、3勝クラスからは抽選でジョーローリット(牝、栗東・中竹厩舎)が選出。昨年のエーデルワイス賞を差し切ったモズミギカタアガリが補欠となり、先週の報知杯大雪ハンデキャップに矛先を替えざるを得なかった。3勝クラスなら出走できると踏んでいた陣営にとって、北海道スプリントカップは想像以上に狭き門であり、ダート短距離の重賞がJRA勢に注目されていた表れでもある。
栗東で最終追い切りを行ったチカッパは、13日昼に門別競馬場に到着。エスカルは函館競馬場を経て、前日に門別へ入厩し、札幌競馬場で調整されているエートラックスとジョーローリットは、当日輸送で挑む。
門別競馬場は昨年から、オーストラリア産の白い砂に替わった。いち早くこの砂を入れた園田競馬場(20年導入)で結果を出したエートラックスとチカッパの2頭は、初コースとはいえ白い砂の経験は大きい。個人的には、前走は1番枠が影響したチカッパを中心とした。外枠を引いた今回は、内の出方を見ながらレースができ、前走の雪辱を果たす可能性は十分にある。(競馬ライター)