【天皇賞・秋】大人のリバティアイランド 川田騎手「いい雰囲気」

馬体には成長が感じられるリバティアイランド
馬体には成長が感じられるリバティアイランド

◆天皇賞・秋追い切り(23日・栗東トレセン)

 第170回天皇賞・秋(27日、東京)の追い切りが23日、東西トレセンで行われた。3冠牝馬のリバティアイランドは成長が感じられる仕上がり。きょう24日に枠順が決まる。

 成長した姿で重厚なフットワークを刻んだ。リバティアイランドは栗東・CWコースで単走。ゆったり入った序盤からスムーズに折り合い、直線で軽く促すと軸のぶれないフォームで俊敏に加速する。柔らかな身のこなしには一切の無駄がない。最後まで力強さも保ったまま、6ハロン85秒5―11秒3をマーク。余力を十分に残し、最終追い切りを終えた。

 主戦の川田は冷静に動きを見守っていた。「とてもいい雰囲気で馬場に入っていきましたし、その後のリズムもとても良かったですし、直線もいい雰囲気で終えることができたと思います」。先週19日の東京で落馬し、頭部の負傷でその後のレースは乗り替わり。今週の騎乗が心配されたが、「こうして会見に出られるぐらいですから大丈夫です」と力強く言い切った。

 大人の体に変ぼうを遂げた。今回はドバイ遠征以来の実戦。夏場を休養に充てたのは秋華賞へ直行だった昨年と同じだ。その昨年は放牧から帰厩時に520キロほどだった馬体が、レースでは476キロまで減っていた。しかし、今年は違う。始動時の体重は昨年とほぼ同じだったが、今週は昨年のジャパンCより30キロ増の500キロ。休養期間が長いぶん、昨年の秋華賞前より在厩期間が約1週間長いにもかかわらずだ。「今回は数字的に増えたまま、体がしっかり仕上がっている感じがします。そのへんは成長と言っていいのかなと思います」と中内田調教師は説明する。

 6ハロン80秒2―10秒8の好時計だった1週前追い切りに騎乗した川田は動きに納得しながらも、7か月ぶりの影響も感じていた。しかし、この日の動きには満足そうにうなずく。「いい変化を感じられる追い切りだったので、特に心配なくレースを迎えられます。ここで素晴らしい走りを皆さんにお届けできればと思って、準備しています」。牝馬3冠達成から約1年。絶対女王が本来の輝きを取り戻す。(山本 武志)

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