初の京都開催。10月から3連続開催となり、第7回となった先週11月30日、12月1日からCコース使用となったが、馬場傾向も外差しが決まるようになってきた。秋の京都開催・芝コースの脚質別成績は逃げ11勝、先行56勝、差し26勝、追い込み3勝だが、先週は逃げ0勝、先行7勝、差し3勝、追い込み0勝と重心は後ろ寄りに傾き始めている。
秋の京都開催・芝コースの産駒別成績は〈1〉エピファネイア7勝〈2〉ロードカナロア〈3〉サトノダイヤモンド〈4〉キズナ〈5〉リオンディーズが上位種牡馬。開催別でみても第5回、第6回、第7回のすべてで上位5頭に入っている種牡馬はサトノダイヤモンドだけ。先週までリーディングサイアーランキングで32位のサトノダイヤモンドの健闘が目立つ。
サトノダイヤモンド産駒は22年にデビューし、今年が3世代目。これまでサトノグランツが23年京都新聞杯、神戸新聞杯の2勝、シンリョクカが24年新潟記念と重賞で3勝を挙げている。芝、ダート問わず1800メートル以上の距離での勝利数が多いが、今年の京王杯スプリングC3着、CBC賞2着のスズハロームといった重賞レベルの短距離馬もおり、産駒はスピードも兼ね備えている。
今回出走するメンバーではビップデイジーが唯一のサトノダイヤモンド産駒となる。前走の紫菊賞は前半5ハロン62秒6、後半5ハロン59秒1と後半が3秒5も速い後傾ラップ。3コーナーの坂の下りから一気に加速して、ラスト3ハロンはレース上がり33秒6。11秒4―11秒2―11秒0と加速する流れを、4コーナーは3番手の外を回しながら、33秒3の脚を使って悠々と差しきった。
京都の外回りコースを経験したこともそうだが、後傾ラップのスローな流れで上がりタイムで次位に0秒4差を付けるのは、並大抵の芸当ではない。阪神JFが決め手比べの展開となれば、差し傾向が強まった馬場傾向と合わせて、最後に脚を伸ばしてくる場面は十分考えられる。ちなみに、22年阪神JFで12番人気ながら2着に入ったシンリョクカは「父サトノダイヤモンド×母の父キングカメハメハ」の組みあわせで、ビップデイジーと同じ配合なのも心強い。(編集委員・小松 雄大)