大阪(伊丹)空港の全日空の保安検査場で26日午前、ナイフのようなものを持った利用客に係員が刃物を返却したトラブルがあり、一部の便の欠航のほか、多くの出発便で遅れが生じる大混乱が起こった。
この混乱に巻き込まれたのは園田競馬場。この日、高知競馬の別府真衣騎手(31)、宮川実騎手(37)、西川敏弘騎手(にしがわ・49)によるトークショーが行われる予定だったが、航空機の遅れで3人は園田に来ることができず、出演できない事態になった。
現在、休業中の別府騎手は女性騎手歴代2位の地方通算722勝。昨秋、結婚した夫の宮川実騎手とトークショーで初共演するイベントは注目を集めていたが、予定が変更になり駆けつけたファンは残念そうにしていた。
イベントではVTRで3人の動画メッセージが紹介された。地方通算3039勝のベテラン、西川騎手は「この度はトラブルで遅くなって申し訳ありません。僕たちの気持ちが少しでも伝わったらと思います」と高知空港にある坂本龍馬の像の前で頭を下げた。
高知のお米「ファーストキッス」の配布イベントは本来、ジョッキーが手渡しでファンにプレゼントする予定だった。宮川騎手は「南国市の農家の吉本さん、子供さんたち、そして自分たちも一緒になって手がけたお米です。すごくおいしいので、全国に広めたいと思っています。自分たちの手から配りたかったのですが、いただいた方はおいしく召し上がってください」とお米の味をアピールしていた。
別府騎手は「高知が多くの騎手がインフルエンザにかかったときに手伝いに来てくれたり、中田(貴士)騎手が高知に乗りに来てくれたり、兵庫の騎手とは交流が多くあります。私も何回かイベントに参加させていただいたこともあって、園田は好きな競馬場です」。楽しみにしていた園田だったが、ファンの前に姿を見せることができなかった。
トークショーは14時50分頃に行う予定だったが、メインレース後に一度は変更。時間をずらして3人の到着を待った。だが、間に合わず、地方通算3713勝を挙げる高知・赤岡修次騎手(42)が代打で第2部に登場。メインの重賞、園田プリンセスカップで騎乗した直後、勝負服のままの姿でマイクを握った。「高知の騎手が誰も来ることができないなら、オレが行くしかない。朝イチの飛行機は無事に飛んで、レースに乗ることができて良かった」とホッとしていた。