【ヴィクトリアM 名牝列伝〈4〉】地力と戦略でかなえた13、14年ヴィルシーナ史上初連覇

1番人気に応えた13年のヴィルシーナ(右)
1番人気に応えた13年のヴィルシーナ(右)
14年のヴィルシーナ(右)は11番人気で連覇を達成
14年のヴィルシーナ(右)は11番人気で連覇を達成

◆第15回ヴィクトリアマイル・G1(5月17日・芝1600メートル、東京競馬場)

 競馬は難しい。ヴィルシーナの競走生活を、友道調教師は苦笑いで振り返る。「ずっと距離はもつと思っていたんだけどね」。本来、適距離と思っていたエリザベス女王杯は3戦未勝利だったが、ヴィクトリアマイルは2戦2勝と相性抜群だった。

 1年目の13年は地力と執念でねじ伏せた。オルフェーヴルなど牡馬の一線級が集まる大阪杯(6着)を叩いての参戦。レースでは好位から早めに抜け出し、ホエールキャプチャの猛追を12センチだけしのいだ。「休み明けで厳しい競馬をして、本当にいい状態で出せましたから」。前年の牝馬3冠戦線では、すべてジェンティルドンナの2着。悲願のG1初制覇だった。

 2年目の14年は戦略が光った。前年秋から大敗が続き、前哨戦は7ハロンの阪神牝馬Sを選択。「成績を度外視して、この距離で馬込みに入れることで前向きさが出れば、と考えました」。11着と敗れたが、続く本番でデビュー以来初の逃げ切りV。目覚めた闘争心がレース史上初の連覇を生んだ。

 それでも、友道師は言う。「東京ならマイルでも、という感じですよね。距離はもちそうだったし、(連覇は)いろいろなタイミングだったと思う」。大魔神・佐々木主浩オーナーの所有馬としても注目を集めた競走生活。競馬ファンの脳裏に、今も深く刻み込まれている。(山本 武志)=おわり=

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