「ニホンピロ」の冠名で一時代を築いた小林百太郎オーナーが先月27日に死去していたことが4月9日、分かった。93歳だった。
小林氏は馬主として1960年代から競走馬を所有。主な活躍馬にはマイルCSを連覇(1984、85年)し、安田記念(85年)も制したニホンピロウイナーや、2012年のジャパンCダートを制覇したニホンピロアワーズのほか、2018年に中山大障害・JG1を制覇したニホンピロバロンがいる。
かつてニホンピロアワーズを管理した大橋勇樹調教師は「厩舎を開業したときはもちろんですが、調教助手(栗東・目野哲也厩舎在籍時)のときから本当にお世話になりました。どんな結果でも『ヨッシャー』と言ってくれる懐が深く、人情味のあるオーナーでした。一番、思い出に残る馬はやっぱりニホンピロアワーズ。ありがとうございます」と感謝の気持ちを表した。
最後のG1勝利となったニホンピロバロンを管理した元調教師の田所秀孝さんは「バロンでG1を勝ったときに中山まで来ていただき、一緒にウィナーズサークルに行くことができたことが思い出に残っています。馬のことを愛しておられ、素晴らしいオーナーでした。本当に感謝しています」と哀悼の意を示した。
小林氏はFYH株式会社(大阪)の元社長。白地に緑の水玉の勝負服で、昭和、平成、令和とファンに愛された数々の競走馬を所有した。なお、勝負服は息子の英一氏が引き継ぐという。