◆マイルCS追い切り(16日・美浦トレセン)
霧晴れの美浦・Wコースで闘志がみなぎった。サリオスはスワーヴエルメ(4歳2勝クラス)を2馬身先行。内めを通って外に入ったが、ラスト11秒8と抜群の加速で踏み込みも力強く、追いつかれることなく半馬身先着した。6ハロンこそ81秒3で全体12番目ながら、5ハロン63秒0と4ハロン49秒1は併せた僚馬に次ぐ全体2番目。鞍上のムーアは「状態に関しては満足している」とうなずいた。
毎日王冠で丸2年ぶりの重賞制覇。デビューから3連勝で朝日杯FSを制した素質馬が、ついに復活ののろしを上げた。ムーアはその2歳G1以来となる2度目のコンビ。約3年ぶりにまたがり、「メンタル的に成長を感じられましたし、肉体も含めて馬の状態もすごくいいですね」と目を細めた。美浦トレセンは朝から濃霧で周囲も見えないほどだったが、久々のコンビ結成を祝うかのように、サリオスの馬場入り時には霧が晴れた。
デビューから全14戦でマイル戦が最多の8戦。3年連続挑戦となるマイルCSは過去〈5〉〈6〉着だが、森助手は「このマイルCSは当初から秋の最大目標にしていた」という。前走後は疲労が残り、通常のレース後よりも回復に1週間長くかかったが、仕上げに抜かりはない。「競い合う相手も強いので簡単なレースとはいかないが、いい状態で臨める」とムーア。15年マイルCSをモーリスで制覇した名手の手綱で、3年ぶりG1制覇の完全復活を遂げる。(恩田 諭)