【アメリカJCC】モリアーナ、牝馬33年ぶり2頭目の制覇へ最多7勝の横山典弘が導く

牝馬では33年ぶり2頭目の勝利を目指すモリアーナ(カメラ・荒牧 徹)
牝馬では33年ぶり2頭目の勝利を目指すモリアーナ(カメラ・荒牧 徹)
先週の京成杯をダノンデサイルで制し、喜ぶ横山典
先週の京成杯をダノンデサイルで制し、喜ぶ横山典

◆第65回アメリカJCC・G2(1月21日、中山競馬場・芝2200メートル)

 第65回アメリカJCC・G2(21日、中山)で、モリアーナが33年ぶり2頭目の牝馬によるVを目指す。武藤善則調教師(56)=美浦=は「今後を占う重要な一戦」ととらえ、最多7勝の横山典弘騎手(55)=美浦・フリー=に全てを託す。

 紅一点のモリアーナが33年ぶりの快挙を目指す。64回の歴史を誇るレースで、勝った牝馬は91年のメジロモントレーの1頭だけ。中山の芝2200メートル戦はトリッキーな上に、2度の急坂があるコース設定で、牡馬の壁にはね返され続けてきた。

 最近10年でも牝馬の出走は7頭と参戦自体も少なくなっていたG2だが、武藤調教師は「ノリ(横山典)に今回、ここを使うことを伝えたら『いいんじゃない』と即答してくれた。手の内に入れている鞍上が言うんだから、感じるものがあるんじゃないかな」と勝算があって、ここに送り込む。

 コンビを組む横山典はアメリカJCCで歴代最多の7勝(2位は小島太の5勝)を挙げ、かつてメジロモントレーを牝馬唯一のVへ導いた。先週の京成杯ではダノンデサイルで自身の最年長重賞V記録を55歳10か月23日に更新し、健在ぶりを見せつけている。トレーナーは「折り合いがカギ」とポイントを挙げるが、勢いに乗るレジェンドの手腕、昨年の紫苑S制覇など中山との相性を加味すれば、24年の始動戦で牡馬撃破が期待できる。

 前走の秋華賞は前半1000メートルが1分1秒9のスローの流れのなか、詰まりながらもラストは狭い内から伸びて5着になった。リバティアイランドが牝馬3冠を達成した一戦で高いポテンシャルを示し、武藤師は「ひっかからなければ、どの位置からでも脚を使う。外に出せていたら3着はあった」と振り返った。

 11日の1週前追い切りは、美浦・Wコースを単走で5ハロン67秒2―11秒4。武藤師は「オッ! と思うほどのボディーコンディション。今後を占う意味で重要な一戦になる」と自信の表情。歴史的な勝利で道を切り開いてみせる。(松末 守司)

 ◆91年VTR 10頭立てで行われ、明け5歳のメジロモントレーは4番人気。道中は7番手を追走し、直線の坂を駆け上がり窮屈な場面からアッという間に抜け出すと、2着のカリブソングを1馬身1/4差退け、重賞4勝目を手にした。同レースで牝馬初勝利を挙げた当時22歳の横山典は「少しでも隙間があれば抜けられると思っていた。勝負根性がすごいから、あんな勝ち方ができるんだ」とたたえた。

 ◆牝馬の挑戦 アメリカJCCは1960年の第1回まで遡っても勝利は91年のメジロモントレーのみ。平成(89年)以降では牡馬(セン馬含む)の出走が402頭に対し、牝馬は29頭で【12125】。出走があった計20回で、95年ホクトベガ、96年ダンスパートナーが2着と健闘。昨年はユーバーレーベンが3着になり、27年ぶりに牝馬が馬券圏内に入った。

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