◆第64回きさらぎ賞・G3(2月4日、京都競馬場・芝1800メートル)
2月4日に行われる2重賞で、第64回きさらぎ賞・G3(京都)に、河内洋調教師(68)=栗東=が管理馬のクラシック初制覇の夢を託し出走させるのがウォーターリヒトだ。来年2月に引退を控え、最後のクラシック挑戦に力が入る。
ラストクラシック参戦へ。来年2月いっぱいで定年を迎える河内調教師が、ウォーターリヒトを牡馬3冠ロードに乗せるべく、期待を胸にきさらぎ賞に送り込む。「そんなにクラシックに出走させられていないけど、今年が最後だし出したいね。ここでいい成績を出して賞金を加算できれば」と力を込めた。
名手として知られた騎手時代は、22個ものG1タイトルを獲得。「牝馬の河内」の異名を取ったが、牡馬3冠も1度ずつ制している。だがトレーナー転身後は、JRA・G1未勝利。牡馬クラシックに限れば、初挑戦した08年ヤマニンキングリーを含め管理馬を出走させたのは3度。アグネスフライトに騎乗して00年に初制覇した日本ダービーには、管理馬を出走させたことがない。「なかなか出られるもんじゃないけど、みんなが憧れる舞台だしね。出られるだけでもうれしいよね」とダービーへの思いもはせた。
トレーナーの思いに応えるべく、ウォーターリヒトも着実に成長している。昨年12月にデビュー4戦目で勝ち上がると、重賞初挑戦となったシンザン記念は3着。それまでの2000メートル戦から2ハロンの距離短縮で後方からのレースとなったが、メンバー最速のラスト3ハロン35秒2の末脚で、17番人気の低評価を覆して上位争いを演じた。「前走は思ったように(前に)行けなかったけど、しまいは来ている。距離延長はいい」とトレーナーも前進を見込んだ。
今回が実戦6戦目。「人気はないだろうけど、キャリアはあるからね」とトレーナー。積んできた経験、そのなかで培われた自在性は、今の時期の3歳戦では武器になる。河内調教師の“夢”を乗せ、ウォーターリヒトが激走する。(戸田 和彦)
◆河内調教師の3歳限定G1 5頭で6回出走し、20年秋華賞のオーマイダーリン6着が最高。騎手時代は1986年にメジロラモーヌで桜花賞、オークス、エリザベス女王杯を制し史上初となる牝馬3冠(※当時。現在は桜花賞、オークス、秋華賞)を達成したほか桜花賞4度、オークスとエリザベス女王杯を2度ずつ制した。牡馬3冠も79年菊花賞(ハシハーミット)、00年日本ダービー(アグネスフライト)、01年皐月賞(アグネスタキオン)で制している。