武士沢友治騎手が現役引退を決断した心境を吐露 「G1は勝ちたかったけど…」

武士沢友治騎手
武士沢友治騎手

 今週末の3月10日付で現役を引退することを発表した武士沢友治騎手(46)=美浦・小手川準厩舎=が3月7日、茨城県・美浦トレセンで報道陣の取材に応じ、引退に至った経緯を明かした。今後はJRA競馬学校で教官になる予定で、今年で28年目だったジョッキー人生を振り返った。

 主なやり取りは以下の通り。

 ―このタイミングで引退を決めた理由は?

 武士沢騎手(以下、武)「去年、教官という話をいただきまして、(小手川厩舎に)所属して調教師になる勉強をしようという矢先で悩みました。馬もそうですけど、人を育てることも大事な仕事だと思いますし、そちらの道に行かせてもらうことにしました。ちゃんとした公表が遅くなってしまって、ファンの皆さんには申し訳ないです」

 ―調教師になることも考えていた?

 武「同期の村田(一誠)、(武)幸四郎、秋山(真一郎)とか、みんな頑張っているし、調教師にもなっている。年齢的にもそういうのはあったけど、同時期に(教官の)お話をいただいて、いい意味で悩ませてもらいました。一番はジョッキーでいることですけど、いつかは踏ん切りをつけなくちゃいけない」

 ―思い描く教官像などはありますか?

 武「正直、いってみないと分からないし、(生徒は)現場に来てから学ぶものも多いと思います。なので意識とか、困った時に対処できるように、考え方を植え付けるというか教えてあげたいです。(自分も)安心してジョッキーをできた時期はないので、困った時にどうしたらいいか考えられる人になれるように、うまく伝えていければ」

 ―改めて騎手生活を振り返って。

 武「あっという間ですよね。できたこともあるし、できなかったことも多いです。G1は勝ちたかったけど、そんな簡単なもんじゃない。勝ち鞍以上に、1鞍1鞍に思い入れがあります。調教に乗って勝った勝ち鞍ですから。厩舎の人に感謝しています。馬に育てていく喜びはあった。手がかかっているほど、勝つとうれしかったですよ。騎手冥利に尽きる」

 ―思い出の馬などは。

 武「重賞を勝たせてもらった馬は、最後は(マルターズ)アポジー(17年関屋記念)だったけど、初めて取らせてもらったトウショウナイト(06年アルゼンチン共和国杯)。全てを教わった馬でした」

 ―ファンへのメッセージを。

 武「ファンの人には急な公表になって申し訳ないですが、ファンの皆様のおかげでここまでやってこられました。本当に感謝しています」

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