【ドバイゴールデンシャヒーン前哨戦分析】近3年で2頭の勝ち馬を出したペリカンステークス…リステッド競走ながら注目すべき一戦

 ドバイワールドカップデーが3月30日にUAE・ドバイのメイダン競馬場で開催される。小欄ではG1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200メートル)に向けたステップレースとして、2月10日に行われたペリカンS(米タンパベイダウンズ競馬場・ダート6ハロン=7頭立て)を取り上げたい。

 ペリカンS組はドバイゴールデンシャヒーンで(2・1・1・0)。2021年のゼンデン、昨年のシベリウスと勝ち馬2頭を出しており、リステッド競走ながら注目すべき一戦だ。

 勝ったのは今年もシベリウス(セン6歳、米・オドワイヤー厩舎)。4番手追走から最終コーナーで大外回って進出すると、しぶとく末脚を伸ばして差し切り勝ちを収めた。勝ち時計は1分8秒90(良)。

 クビ差の2着にG3スティーヴセクストン マイルSの2着馬ミシュ。早め先頭から押し切りを狙ったが、勝ち馬の決め手に屈した。

 ナカトミ(セン5歳、米・ウォード厩舎)が3着。スタートひと息で後方を進み、最後の直線で追い上げたが、馬群をさばき切れず不完全燃焼に終わった。

 シベリウスは昨年のドバイゴールデンシャヒーンで、連覇を狙ったスイッツァランド(2着)や米国のG1馬ガナイト(3着)との接戦を制してG1初勝利。その後3連敗を喫したが、12月のG3ミスタープロスペクターS(ダート7ハロン)では後続に4馬身差をつけて楽勝していた。ミスタープロスペクターSとペリカンSを連勝して本番という臨戦過程は、昨年と同じ。連覇へ向けて態勢を整えている。

 ナカトミは2歳時にブラックタイプ競走のボウマンミルS(ダート6ハロン)を制覇。重賞勝ちこそないが常に上位争いに加わり、昨年11月のG1BCスプリントでは王者エリートパワーから2馬身差の3着に好走した。当時の2着は前出ガナイトで、着差は半馬身。ドバイゴールデンシャヒーンでも通用していい。

 本番へ向けた展望としては、シベリウスは首位候補だろう。ペリカンSは別定戦で、シベリウスの斤量が56キロ、ナカトミのそれが54・5キロ。1・5キロの斤量差、レース運びの上手さを考慮すると、シベリウスが上位だ。逆転はイメージしづらいが、ナカトミも馬券圏内に入ってくるはずだ。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。

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