【ドバイターフ能力分析】最有力は日本から参戦するドウデュース

ドウデュース(カメラ・高橋 由二)
ドウデュース(カメラ・高橋 由二)

 G1ドバイターフが30日に迫った。過去5回の調教国別成績を見ると、イギリスが3勝、日本が2勝、地元UAEが1勝(2022年は日本とイギリスの1着同着)。メジャードタイム(牡4歳、首・アップルビー厩舎)とロードノース(セン8歳、英・ゴスデン厩舎)については前哨戦分析をご覧いただくとして、小欄ではそのほかの有力馬をチェックしたい。

 最有力はドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。イクイノックスを破ったダービーと鮮やかな復活劇となった有馬記念の印象が鮮烈だが、2歳時の朝日杯フューチュリティSではセリフォスを破って1着と、マイル戦にも対応できるスピードを持つ。近走の掛かるぐらいの前向きな気性を思えば、距離短縮はマイナスにはならないはずで、むしろメイダンの芝1800メートル戦で良い方向に出そう。昨年はケガで痛恨の出走取消。陣営としては今度こその思いだろう。

 ダノンベルーガ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)は昨年2着。ジオグリフを圧倒した共同通信杯の勝ちっぷりを見ても、いわゆるワンターンの芝1800メートルは絶好の舞台だろう。2000メートルを超えるレースはやや長い印象があり、昨年同様ジャパンカップから距離を短縮して臨むパターンにも好感。

 香港のヴォイッジバブル(セン5歳、イウ厩舎)は前々走のスチュワーズカップ(芝1600メートル)でG1初制覇。前走のG1香港ゴールドカップでは、香港カップ連覇やコックスプレートなどG1・6勝の中距離王者ロマンチックウォリアーと一騎打ちを展開し、クビ差2着に好走した。香港勢はドバイターフで苦戦しているが、G1香港マイル2着も含めて充実著しい今ならチャンスがありそうだ。

 アイルランドのルクセンブルク(牡5歳、Aオブライエン厩舎)はG1愛チャンピオンS(芝10ハロン)などG1・3勝。2走前のG1香港カップでは前記ロマンチックウォリアーに短クビ差の2着と、中距離戦で実績上位の一頭だ。前走のG2ネオムターフカップ4着は案外だが、結果的に大外枠からの逃げでチグハグな走りになった印象。前走の内容で人気急落なら狙い時ではないか。

 フランスのファクトゥールシュヴァル(セン5歳、レニエ厩舎)は仏G3パース賞(芝1600メートル)の勝ち馬。安定した末脚が武器で、英G1クイーンエリザベス2世S2着、英G1サセックスS2着、仏G1ムーランドロンシャン賞3着と欧州トップクラスのマイル戦で善戦している。良馬場で末脚の威力が増す可能性があり、メイダンの芝で警戒したい。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。

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