◆第84回皐月賞・G1(4月14日、中山競馬場・芝2000メートル)
競走馬は日頃から世話をする担当の方が非常に重要だと思う。2月に行われたすみれSのレース後。検量室前で「担当だったのか…」と思ってしまったのが、勝ったサンライズアースを待っている渡辺厩務員の姿を見た時だ。確か巨人ファンということがきっかけだったか、日頃から話をさせてもらうことが多い。この人は以前の松田国英厩舎時代にクロフネを担当していた。芦毛の怪物に実際に携わり、その感覚を知っている腕利きだ。
トレセン全休日の4月8日、サンライズアースについて興味深い話を聞いた。「今までやったなかでもいないようなパワーとスタミナがあります」と切り出した後、「クロフネに似ている」と言葉を続けたのだ。もちろん、こちらはキャリア2戦。「クロフネは紳士だったけど、この子は本当にうるさい」と幼さを多分に残す現状ではある。ただ、スケールの大きさを感じているのは間違いない。
もう一つ、興味深い話がある。「今まではボテッとした体だったけど、今回は10キロぐらい減っていると思います」。前走は初戦から4キロ増だったが、これも想定外の馬体増だったという。今回は放牧先でもしっかり乗ってもらい、勝負仕上げの気配が伝わる。
「多頭数がどうですかね」「東京の方がいいような気もするけど…」とも口にした渡辺厩務員だが、元々が慎重なタイプ。だからこそ、高い資質を感じている様子が印象的だった。