JRA初の女性場内実況を務めた藤原菜々花アナ、予想デビューのダービー本命馬は「飛んできた」末脚の持ち主

「がんばれ馬券」でレガレイラを応援する藤原アナ(カメラ・佐々木 清勝)
「がんばれ馬券」でレガレイラを応援する藤原アナ(カメラ・佐々木 清勝)

◆第91回日本ダービー・G1(5月26日、東京競馬場・芝2400メートル)

 私が初めて見たダービーは、コントレイルが勝った2020年。競馬場全体が独特な空気感で、直属の上司でもある小塚歩アナが声を震わせた実況を見て「ダービーってそれぐらい特別なんだ」と痛感して、ここで仕事をしていきたいと思うきっかけになりました。

 入社した頃は無観客でしたが、今では何万人のお客さんと一緒に最後の直線を見ている感覚がたまらない。皆さんで作る特別感なんだなと年々、感じています。

 シャフリヤールが勝った21年もよく覚えていて、私にとっては新馬から見ていた最初の世代。「1頭を決めて追うと世代限定戦の仕組みやオークス、ダービーの重みが分かる」と先輩の大関隼アナから教えてもらい、目をつけたのがエフフォーリアとメイケイエールでした。出走することのすごさを感じながら見た最初の年だったので、すごく印象に残っています。ちなみに、マークシートを塗り間違えて的中したこともよく覚えています(笑い)。

 今年の3歳世代で追いかけているのはレガレイラ。3着に負けたアイビーSの時から牡馬と互角以上に戦える切れ味を感じていて、ホープフルSでごぼう抜きした走りを現地で見て「やっぱり格好いいな」と、より好きになりました。もしレガレイラがG1を勝つ時の実況を私が担当したなら、声が震えちゃうかもしれませんね。

 馬券はこれまでのレース内容を重視していて、最近はワイドで点数を絞って買うようにしています。今年の馬券収支はトントンです。

 今年はもちろんレガレイラが本命です。ホープフルSの末脚がとにかく印象的で、言葉を選ばずに言うと「飛んできた」。皐月賞も本命にしたのですが、当日のレースを見ていると前が有利な印象を持ったので、個人的には中団くらいにつけられればいいなと思っていました。後方3番手から6着まで来たのを見て「やれる」と感じましたし、直線が長い東京に替われば末脚が生きると思いました。ルメール騎手に戻って、ホープフルSで見せたあの末脚をもう一回見たいです。

 あと、すごく個人的な話になるのですが、私が初めて場内実況を担当したレースの勝ち馬が木村厩舎のメジャーレーベル。厩舎に招いていただき、一緒に写真を撮らせていただいたり、前田オーナーと木村先生のご厚意もあって、当時のゼッケンをプレゼントしてもらいました。今は額縁に入れて自宅に飾っていますが、ゼッケンについた毛を見るのも愛(いと)しいですね。ご縁を勝手に感じている木村調教師とレガレイラには、ぜひ頑張ってほしいですし、勝つことがあれば生涯忘れられない一日になると思います!

 買い目はレガレイラの「がんばれ馬券(単勝+複勝)」と、ワイドでジャスティンミラノ、アーバンシック、シックスペンスの3点。トリガミにならないように、金額に強弱をつけて買います!(ラジオNIKKEIアナウンサー)

 「牝馬GI」目標

 ○…ひなまつり当日の3月3日の場内実況デビュー後も着実に経験を積み、先週18日には東京2、3Rの実況を務めた。反省、実戦を繰り返して、課題と向き合い技術向上を目指す日々を送る。今後の目標は「見ている方がレースだけに集中できる正確で分かりやすい実況」と「牝馬G1での場内実況」を掲げる。

 ◆藤原 菜々花(ふじわら・ななか)1997年7月3日、神奈川県生まれ。26歳。2020年にラジオNIKKEIに入社。今年3月3日の中山3Rで女性初のJRA場内実況を担当し、大きな注目を集めた。主なラジオの出演番組は「中央競馬実況中継」や「ななかもしか発見伝!」。

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル