◆第74回安田記念・G1(6月2日、東京・芝1600メートル)
長いトンネルから抜け出した関係者の表情は、安堵と喜びが入り交じっていた。ステラヴェローチェは3月3日の大阪城S(芝1800メートル)、デビットバローズとの壮絶なたたき合いを制して、2021年9月の神戸新聞杯(中京)以来、2年5か月ぶりの勝利を挙げた。
2021年の日本ダービー、皐月賞で3着に入った実力馬。屈けん炎を発症して、1年7か月もの長期休養期間があった。それでも復帰3戦目、58・5キロのハンデを背負いながら、底力を示した一戦だった。続く大阪杯では力強い追い上げをみせ4着。大接戦の上位争いへ加わった。完全に軌道に乗った。
2歳時にはサウジアラビアロイヤルCを勝ち、朝日杯FS2着と、マイル実績にも不満はない。(吉田 哲也)