◆第70回東京ダービー・交流G1(6月5日、大井競馬場・ダート2000メートル)
新生ダート3冠の第2戦、第70回東京ダービー・交流G1は5日、大井競馬場のダート2000メートルで16頭(JRA4、南関東11、他地区1)によって争われ、1番人気のラムジェット(三浦)が道中3番手追走から直線で力強く抜け出し、6馬身差の圧勝。4連勝で1着賞金1億円を獲得した。2着のサトノエピック、3着のアンモシエラとJRA勢が上位を独占。地方勢はシンメデージー(高知)の4着が最高だった。
初のナイターも地方の砂も問題にせず、強さを証明した。ラムジェットはスタートから促され3番手の外を追走。4角で手応えは鈍ったが、直線でギアが入るとグイグイと末脚を伸ばし2着のサトノエピックを6馬身ちぎった。新生ダート3冠元年に、JRA所属馬として初めて東京ダービーのタイトルを奪取。まだまだ底を見せないレースぶりに三浦は「毎回驚く勝ち方をしてくれるし、まだまだ成長力がある。これからが楽しみ」と、声を弾ませた。
悔しさを乗り越えての参戦だった。当初の目標だったアメリカのケンタッキーダービーは、出走ポイントが足りず断念。目標を切り替えての“第2希望”への出走で最高の結果を出した。佐々木調教師はこれが交流G1初制覇。「普通に回れば勝てると思ったけど、4コーナーで手応えが悪くなってどうかと思った。強かったですね」と、安どの表情を浮かべた。
この後は休養を挟み、ジャパンダートクラシック・交流G1(10月2日、大井)へ直行する。その3冠目の舞台には、ケンタッキーダービー僅差3着のフォーエバーヤングも出走を検討中。「まだ本気で走っていないからね。フォーエバーヤングと五分の勝負がしたい。できれば、来年は海外も見えてくる」と、トレーナーは秋の“頂上決戦”へ言葉に力を込めた。世代最強を懸けた戦い、さらにその先へ。ジェットエンジン全開で突き進む。(角田 晨)
◆ラムジェット 父マジェスティックウォリアー、母ネフェルティティ(父ゴールドアリュール)。栗東・佐々木晶三厩舎所属の牡3歳。北海道新冠町・(株)ノースヒルズの生産。通算7戦5勝(うち地方1戦1勝)。総獲得賞金は1億7771万2000円(うち地方1億円)。主な勝ち鞍はユニコーンS・G3(24年)。重賞2勝目。馬主は前田幸治氏。