◆第56回函館2歳S・G3(7月13日、函館競馬場・芝1200メートル、良)
第56回函館2歳S・G3が13日、函館競馬場で行われ、1番人気のサトノカルナバルが1馬身1/4差で快勝し、無傷2連勝で世代初の重賞ウィナーに輝いた。初コンビだったデビュー3年目の佐々木大輔騎手(20)=美浦・菊川厩舎=は、重賞16度目の騎乗で初タイトルをつかんだ。
若きエースが今年も北の大地で結果を出した。3年目の佐々木と初コンビのサトノカルナバルは、6月の東京デビューから無傷で世代最初の重賞制覇。人馬ともに初タイトルをつかみとった。
有言実行の勝利だった。府中の芝7ハロンの初陣はレーンが騎乗して7馬身差の圧勝劇。2戦目の手綱を託された佐々木は、最終追い切り後に「前回、ああいう形で勝ったので落とせないなという気持ち」と話した通り、道中4番手で冷静にその時を待つ。直線でギアをトップに入れると外から一気に前をのみ込み、2着に1馬身1/4差。「初めての1200メートルで多少流れに乗せていったぶん、馬がハミをくわえるのが甘くなってしまったが、直線の手応えは他の馬と違っていた」と能力で圧倒した。
スタンドから飛んだ「おめでとう」の声にガッツポーズでこたえた佐々木は「こういったチャンスはなかなかないので、しっかりものにしたいと思っていた」とさわやかな笑顔を浮かべた。19歳だった昨年、北海道シリーズに初参戦し、史上最年少で函館リーディングを奪い、ブレイク。当時、武豊は「先輩騎手がいる中でなかなかこんなに勝てない。上がってくると思う」と評価したほどだ。
この日の2勝で、トップの横山武と2勝差の函館リーディング2位に浮上。今日の函館記念ではチャックネイトに騎乗し、2日連続重賞Vに挑む。「もっと重賞を勝てるように頑張りたい」。次代のエースが主役を張り続ける。(松末 守司)
◆サトノカルナバル 父キタサンブラック、母リアリサトリス(父ニューメラス)。美浦・堀宣行厩舎所属の牡2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は3872万5000円。重賞初勝利。馬主は里見治氏。