先週に引き続き、セレクションセールを振り返る。初の3日間開催となった最終日の24日は、173頭が上場され、128頭が落札。この日の売却総額は15億7410万円(金額はすべて税別)、売却率は73・99%を記録した。上場馬の質を考えると、2日目と3日目はほぼ同じであり、3日目の売上が前日比で7億8340万円減、売却率は14・71ポイント減という厳しい結果だったと言わざるを得ない。セレクトセールが3日間開催を行っていた時期はあったが、その時は1歳1日と当歳2日という日程だったので、同じ世代による3日間開催は、購買関係者に限らず、生産者にとっても期間が長いと感じる声が多かった。
過去最高の484頭(牡339頭、牝145頭)が上場された3日間の売却総額は、71億9760万円を誇り、売却率は85・12%をマークした。売上はレコードを更新、売却率は歴代4位、平均価格は約1747万円で歴代5位だった。「昨年より頭数が増えたことで、購買者の方には選抜度が薄くなった感じを受けたのかもしれません。ただ、番号最後の馬が、3日目の最高額(サンジョアンの2023、ルヴァンスレーヴ産駒の牡馬が5200万円)となるなど、最後の最後まで良質馬を競り上げる方々もいらっしゃいました。来年に向けて、すでに日程のことを気にされる方もいらっしゃいましたが、サマーセールの結果も踏まえて、来年はより良いセレクションセールにしていきたいと思っています」と、日高軽種馬農業協同組合の古川雅且組合長はセールを振り返った。
セレクション3日目の来場者から「サマーの良質馬がいる感じのセリ」という声が多く聞かれた。18年に開催されたサマープレミアムセールの売却総額(16億540万円)、売却率(77・4%)に近かったことから、その印象を強く感じたのかもしれない。8月19日から始まるサマーセールは、6日間のロングラン開催となる。1日あたりの上場頭数は抑えた(約210頭)ことで、昨年までに比べれば終了時刻は早まるものの、期間が長いことによる購買関係者の気持ちは図りえない側面もある。1歳市場は右肩上がりが続いているものの、例年と違うスタイルのセレクションとサマーの結果は、来年の北海道市場の日程を左右すると言っても過言ではない。(競馬ライター)