【香港カップ前哨戦分析】11月17日のジョッキークラブC・G2を海外競馬通・成田幸穂が解説

J.マクドナルド騎手が騎乗し、馬場入りするロマンチックウォリアー(カメラ・高橋 由二)
J.マクドナルド騎手が騎乗し、馬場入りするロマンチックウォリアー(カメラ・高橋 由二)

 香港国際競走が12月8日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄では香港カップ・G1(芝2000メートル)に向けたステップレースとして、11月17日のジョッキークラブC・G2(シャティン競馬場・芝2000メートル=11頭立て)を取り上げたい。史上初の香港カップ3連覇を狙うロマンチックウォリアー(セン6歳、香・シャム厩舎)が快勝したレースだ。

 道中4、5番手を追走したロマンチックウォリアーは最終コーナーで進出開始。見るからに余力十分の手応えで先頭に立ち、残り300メートル付近で鞍上のマクドナルド騎手に促されると、後続を楽々と突き放して勝負を決めた。勝ち時計は1分59秒70(良馬場)。

 レースラップを振り返ると、前半800メートルが49秒26、後半800メートルが47秒17。スローペースからの瞬発力勝負で、ロマンチックウォリアーはメンバー中最速の上がり400メートル23秒68を記録した。対戦相手が楽だったとはいえ、他馬より2キロ重い58キロの斤量を背負いながら、2着カーインジェネレーションに4馬身1/4差をつけた。シーズン初戦としては上々の内容だ。

 ロマンチックウォリアーは2022年の香港カップでダノンザキッド(2着)をはじめ日本勢を全く寄せ付けず4馬身半差の圧勝。昨年の同レースでもアイルランドのルクセンブルク(2着)、ヒシイグアス(3着)との接戦を制して連覇を果たした。

 その後も2月の香港ゴールドC・G1(芝2000メートル)でヴォイッジバブルを破り、4月のクイーンエリザベス2世C・G1(芝2000メートル)ではプログノーシス(2着)との追い比べを制して初の3連覇を達成。6月には安田記念・G1に参戦し、ナミュール(2着)、ソウルラッシュ(3着)の猛追をしのいで勝利した。2023/24年シーズンは豪G1のコックスプレートを含めてG1・5勝の活躍で、香港年度代表馬にも輝いた。

 本番へ向けた展望としては、ロマンチックウォリアーは当然最有力候補だ。現在6歳で加齢による衰えもありそうなものだが、前哨戦のジョッキークラブCを完勝。昨年10月のコックスプレートから続く連勝を6に伸ばしており、依然充実期にある。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月8日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第2「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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