【香港ヴァーズ能力分析】ステレンボッシュ、3歳牝馬でも通用する

パドックをスクーリングするステレンボッシュ(カメラ・高橋 由二)
パドックをスクーリングするステレンボッシュ(カメラ・高橋 由二)

 香港ヴァーズ・G1が12月8日に迫った。過去5年の調教国別成績を振り返ると、日本が3勝、アイルランドが1勝、フランスが1勝となっている。

 ステレンボッシュ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)は桜花賞を制し、オークス2着、秋華賞3着と日本の3歳牝馬トップクラス。3歳牝馬は過去の香港ヴァーズで【2・0・1・3】。ヴァレアンシャンテが2003年1着、ダリアカナが2009年1着、ウォームハートが昨年3着と好走した。日本調教の3歳牝馬が当レースに挑戦するのは初めてだが、過去の事例を見ても通用の期待が持てる。

 プラダリア(牡5歳、栗東・池添学厩舎)は京都大賞典と京都記念の覇者。2017年1着のサトノクラウンは京都記念を、2019年と2021年1着のグローリーヴェイズは日経新春杯と京都大賞典を制していた。京都の重賞実績が生きれば、本馬にもチャンスがあるだろう。

 アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎の2頭はどうか。ルクセンブルクは前哨戦分析をご覧いただくとして、ここでは英セントレジャー馬・G1のコンティニュアス(牡4歳)を取り上げたい。

 コンティニュアスは3歳時の英グレイトヴォルティジュールS・G2(芝11ハロン188ヤード)の勝ちっぷりが鮮烈。近年のこのレース勝ち馬には、ポストポンドとオールドペルシアン(ともにドバイシーマクラシック・G1優勝)、ユビアー(BCターフ・G1優勝)など欧州以外の国で活躍が目立つ。2021年の香港ヴァーズ2着馬パイルドライヴァー(キングジョージ・G1優勝)もその一頭だ。近走は案外だが、道悪でパフォーマンスを落としている可能性が高い。良馬場なら見直せる。

 フランスのマルキザ(セン4歳)は昨年1着ジュンコと同じアンドレ・ファーブル厩舎の管理馬。G1勝ち鞍こそないが、3走前の仏シャンティイ大賞・G2ではジュンコのハナ差2着、2走前の仏コンセイユドパリ賞・G2では今年のキングジョージ・G1を圧勝したゴリアットの3着と、強豪相手に善戦している。G1初挑戦だった前走ドイツのバイエルン大賞は馬群をスムーズにさばけず5着。初めて4着以下に敗れたが、底を見せたという印象はなく警戒すべき一頭だろう。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月8日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第2「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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