小欄では香港ヴァーズ・G1について血統面から検討したい。過去5年の傾向としては、サンデーサイレンス系種牡馬の産駒が過去5年の当レースで【2・2・1・2】。連対率57%、3着内率71%と優秀な成績を残している。
コンティニュアスは父がハーツクライ。同じ父の産駒リスグラシューは豪コックスプレート・G1を制したほか、2018年の香港ヴァーズ2着、2019年のクイーンエリザベス2世C・G1は3着と当地のG1でも好走した。
コンティニュアスは父がサンデーサイレンス系ハーツクライ、母の父がガリレオ、祖母の父がデインヒルという組み合わせ。昨年2着のゼッフィーロは父が同系ディープインパクト、母の父がデインヒル後継デインヒルダンサー、祖母の父がガリレオの父サドラーズウェルズだった。ゼッフィーロと似通った血統構成のコンティニュアスにも期待が持てる。
ガリレオか同馬の後継を父に持つ馬が当レースで【2・1・2・7】。3着内率は40%超と警戒が必要で、昨年は該当馬2頭が出走して、ジュンコ(父はガリレオ系アンテロ)が1着、ウォームハート(父ガリレオ)が3着と好走した。
ハーツクライ 鹿毛2001 サンデーサイレンス系 | サンデーサイレンス 青鹿毛1986 | ヘイロー |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス 鹿毛1990 | トニービン | |
ビユーパーダンス | ||
Fluff 鹿毛2012 サドラーズウェルズ系 | ガリレオ 鹿毛1998 | サドラーズウェルズ |
アーバンシー | ||
Sumora 鹿毛2002 | デインヒル | |
Rain Flower |
ウィズアウトアファイトはガリレオ後継テオフィロの産駒。父は英デューハーストS・G1、愛ナショナルS・G1と芝7ハロンのG1ウイナーながら、産駒は香港ヴァーズで好成績を残しており、エグザルタントが2018年1着、2019年3着、エジーラが2018年3着と好走した。
母ホールシードは伊セルジオクマニ賞・G3(芝1600メートル)の勝ち馬。おじに仏イスパーン賞・G1のプリンスカーク、曽祖母ヘイローズプリンセスの産駒にG1伊ダービー馬のヘイルシャムがいる。欧州指向の母系ながら、4代母タベレットの子孫に米カーターH・G1を制したスプリンターで、日本で種牡馬供用中のミスチヴィアスアレックスが出ている。
テオフィロ 鹿毛2004 サドラーズウェルズ系 | ガリレオ 鹿毛1998 | サドラーズウェルズ |
アーバンシー | ||
Speirbhean 鹿毛1998 | デインヒル | |
Saviour | ||
Khor Sheed 栗毛2008 ミスタープロスペクター系 | ドバウィ 鹿毛2002 | ドバイミレニアム |
ゾマラダー | ||
Princess Manila 鹿毛1990 | Manila | |
Halo's Princess |
カーインジェネレーションはガリレオ系チャーチルの産駒。父は2016年の欧州2歳牡馬チャンピオンで、英・愛の2000ギニーなどG1・4勝を挙げた。主な産駒に2022年の欧州3歳牡馬チャンピオンで、仏ダービー・G1と英エクリプスS・G1を制したほか凱旋門賞・G1でも2着となったヴァデニがいる。
カーインジェネレーションの曽祖母ウィミズバイトは愛オークス馬・G1。その産駒にパリ大賞・G1や米アーリントンミリオン・G1などG1・4勝のビートホローがいる。
チャーチル 鹿毛2014 サドラーズウェルズ系 | ガリレオ 鹿毛1998 | サドラーズウェルズ |
アーバンシー | ||
Meow 鹿毛2008 | ストームキャット | |
Airwave | ||
War Goddess 鹿毛2013 ダンチヒ系 | Champs Elysees 鹿毛2003 | デインヒル |
Hasili | ||
Brightest 鹿毛1999 | Rainbow Quest | |
Wemyss Bight |
◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月8日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第2「香港国際競走実況中継」に出演予定。