◆第69回有馬記念・G1(12月22日、中山競馬場・芝2500メートル)
有馬記念(22日、中山)の「考察」は、キーポイント編。ヤマタケ(山本武志)、角田晨の両記者が騎手データをもとに、それぞれの特注馬を導き出した。
ヤマタケ(以下「ヤ」)「初めて有馬記念を現地で見たのは07年。3歳牝馬のウオッカとダイワスカーレットの挑戦を取材に行ったんだ」
角田(以下「角」)「突然、懐かしい話を持ち出してきましたね」
ヤ「翌年にダイワが勝つんだけど、当時は37年ぶりの牝馬V。牝馬がそんなに勝ってないのかと驚いたもんだ」
角「鬼門だったんですね。けど、最近は牝馬が強い時代と言われるようになりました」
ヤ「有馬もそやねん。14~18年の5年は牝馬が【1・1・0・14】で複勝率12・5%だけど、19~23年は【2・2・2・19】で複勝率24・0%とほぼ倍増。特に近5年は毎年、3着以内に牝馬が入っている」
角「今年も3頭、すべてG1馬ですね」
ヤ「特にこの10年で勝っている14年ジェンティルドンナ、19年リスグラシュー、20年クロノジェネシスには牡馬相手のG1を勝っていたという共通点があるのよ。今年、その条件を満たすのはレガレイラ一頭だけ」
角「鞍上の戸崎騎手は過去10年の中山の芝2500メートルで最多の9勝を挙げてますよね」
ヤ「へぇ~、そうなん?」
角「中山の芝2500メートルは騎手の腕も非常に重要な要素。今週の美浦でマーカンド騎手に『世界にも難しいコースはたくさんあるけど、なかでも中山2500メートル』と聞いて、データを調べたんです。すると、戸崎騎手よりもさらに結果を出している騎手がいた」
ヤ「それは?」
角「ルメール騎手です。過去10年で同じ9勝ですが、勝率や複勝率がはるかに高い。特に複勝率は7割超えですからね。今週の美浦では『スタンド前でかかっちゃう馬がいるから、内に入れて走るのが大事』と教えてくれました」
ヤ「アーバンシックには騎乗時2戦2勝。相性もいいよね」
角「機動力を最大限に生かし、末脚一辺倒の競馬から新たな魅力を引き出していますよね。ドウデュースより前、前で運べそうな強みが生きないかなと思います」
ヤ「ディープインパクトに勝った05年ハーツクライの衝撃を思い出すよ」
角「今日は思い出話がよく出ますね」
ヤ「…。さぁ、枠順も出たし、そろそろ絞っていこうかな」