◆有馬記念追い切り(18日・栗東トレセン)
第69回有馬記念・G1(22日、中山)の追い切りが東西トレセンで18日に行われ、海外G1だった前走で上位に入った2頭が上々の仕上がりをアピールした。大阪本紙予想担当・山下優記者が両馬の動きを入念にチェック。昨年とは順調さが段違いで激走ムードを感じ取ったシャフリヤールを「見た」。
豊富な経験を力に変えて、もう一度頂点へ。シャフリヤールはフラットワーク(準備運動)をより大切にする藤原厩舎でもあり、まずは角馬場で助手がまたがり入念に体をほぐす。ハミを取って頭を下げ、さすがの集中力だ。そして西塚(レースはCデムーロ)に乗り替わって芝コース入り。単走で5ハロン63秒0―11秒1を馬なりでマークした。滑らかな動きで、6歳の冬を迎えても衰えはない。
出迎えた藤原調教師は「絶好調ですよ。気分良く、ストレスをかけないようにやりました」と明るい表情で伝えた。BCターフから有馬記念のローテーションは昨年と同じだが、大きく違う点がある。昨年は当初、香港ヴァーズへの出走を予定していた。しかし、現地で不整脈の疑いと診断されて出走取消になり、急きょ有馬記念に参戦。中山競馬場に移動し、1頭で調教を行った。普段と異なる環境での調整。それでもレースでは0秒3差の5着に踏ん張った。
今年は慣れた栗東での調整。11日の1週前追い切りは少し重たさを感じたが、15日の日曜に坂路で一杯に追われて52秒4―12秒0を出している。これでスイッチが入った。「間隔は短いけれど、昨年に比べたらな。若さもあるし、経験も積んだから」とトレーナーは不敵に笑った。
心身ともに昨年以上の状態で挑める。さらに着順を上げてもおかしくない。第88代日本ダービー馬が、暮れのグランプリを盛り上げる。(山下 優)