電撃引退ドウデュース 武豊騎手が断言していた「絶対、種牡馬として成功する」産駒へ夢託す

20日朝の調教を終え、引き揚げてきたドウデュース。午後になって出走取消が発表された
20日朝の調教を終え、引き揚げてきたドウデュース。午後になって出走取消が発表された

 馬記念・G1(22日、中山)で圧倒的1番人気が予想されていたドウデュース(牡5歳、栗東・友道厩舎)が右前肢ハ行のため、出走を取り消したことが20日、発表された。歴代最多のファン投票を獲得したラストランは幻となり、このまま現役を引退することになった。レース当日に行われる予定だった引退式も中止となる。今後は北海道安平町の社台スタリオンステーションで、種牡馬となる予定だ。

 ドウデュースが今年限りで引退すると発表されたのは7月8日。私の誕生日だから、はっきり覚えている。最後まで追い続けて、誰にも負けないぐらいの記事を書きたい―。26歳の誓いを立てた。

 秋になると、取材でも未来の話が増えた。天皇賞・秋を勝った後、武豊騎手は「種牡馬としてすごい人気だろうね」。ジャパンCの後も「絶対種牡馬として成功する」と断言していた。

 一番の根拠は、2~5歳で毎年G1で勝ったこと。「2歳のマイルG1を勝ってるのが、馬産地からしたら魅力だろうね」と、21年の朝日杯FSを高く評価。22年日本ダービーをレースレコードで勝つ脚力がありながら、筋骨隆々とした馬体。「スピードがあるし、2歳から活躍したし、距離ももつ。(産駒は)ダートも良さそう」と賛辞が止まらなかった。

 ドウデュース産駒に乗りたいですか?と聞くと「乗ってみたい」と即答。「ドウデュースの子供に乗ろうと思ったら、まだ何年もやらなあかん」と、未来を描きながらほほ笑んだ。産駒は順調なら28年夏にデビュー。そのとき武豊は59歳。「父ドウデュース」の馬とのタッグで、競馬界の主役となってほしい。必ずその日が来ると信じている。(水納 愛美)

 ◆ドウデュース 父ハーツクライ、母ダストアンドダイヤモンズ(父ヴィンディケーション)。栗東・友道康夫厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算16戦8勝(重賞6勝)。総獲得賞金は17億7587万5800円。21年のJRA最優秀2歳牡馬。G1勝ち鞍は朝日杯FS(21年)、日本ダービー(22年)、有馬記念(23年)、天皇賞・秋、ジャパンC(24年)。馬主は(株)キーファーズ。馬名の「ドウ」は英語のDo(する)、「デュース」はテニス用語のDeuce(勝利目前)。

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