【京成杯】3億1000万円馬が折り合いに課題残すも重賞初Ⅴへ好時計 田中博調教師「クラシックへ重要な一戦」

キングノジョー(左)は実戦を想定しての3頭併せ(カメラ・荒牧 徹)
キングノジョー(左)は実戦を想定しての3頭併せ(カメラ・荒牧 徹)

◆京成杯追い切り(16日・美浦トレセン)

 週末の2重賞などの出走馬が16日、確定した。第65回京成杯・G3(19日、中山)で、デビュー2連勝での重賞初制覇を狙うキングノジョーは美浦・Wコースで追い切り。23年セレクトセールで3億1000万円で落札され、半兄に23年天皇賞・春を制したジャスティンパレスを持つ注目馬の調整に、浅子祐貴記者が「見た」で迫った。

 判断に悩む。キングノジョーの追い切りを見て、真っ先に頭に思い浮かんだ率直な思いだ。この馬の課題は先週、田中博師が言及していた折り合い面の難しさ。16日の美浦・Wコースで行われた最終追い切りでも課題は払拭(ふっしょく)されなかった。

 道中はプリティディーヴァ(3歳オープン)、バロネッサ(4歳3勝クラス)を2馬身ずつの等間隔で追走。3コーナー付近で頭を上げる素振りを見せて、鞍上がなだめるのに苦労。直線に入ると内に潜り込み一杯に追われたが、僚馬2頭に遅れた。「滑りやすい」と声が挙がっていたWコースを考えれば、6ハロン81秒9―11秒9と時計は出ていたが、見た目には強調できる走りではなかった。

 ならばと指揮官の言葉にヒントを探った。「あの子のリズムで行ければ違う動きができた」と遅れは気にしていない様子。続けて「相手のリズムに合わせるとコンタクトが取りづらい面が出てくる。レースでも意のままに進めるのは難しい。どんな形にも対応できるように」と実戦を想定して相手に合わせたことが分かった。

 潜在能力で重賞に手が届く可能性がある。新馬戦はノーステッキで2馬身半差の完勝。田中博師は「新馬の方が途上だったけど、想像以上にいいパフォーマンスで勝てた」と素材の良さを実感。さらに今回は調教後の息の戻りの早さや馬体の成長に上積みがあり、状態は一段上がっているというジャッジだ。「高いレベルで走る馬は前進気勢がなくてはならない」。レモンポップを育てたG1トレーナーの言葉だけに重みがある。

 昨年はダービー馬のダノンデサイル、一昨年は皐月賞馬のソールオリエンスが制したクラシックへの登竜門。「勝てれば最高だけど、上位に来られるのか及ばないのか。クラシックへ向けて重要な一戦」と指揮官。今後へ向けて試金石を迎える。(浅子 祐貴)

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