【ドバイワールドカップ前哨戦分析】フォーエバーヤングが勝利したG1サウジカップを分析

フォーエバーヤング(右)がゴール前でロマンチックウォリアーを差し切る
フォーエバーヤング(右)がゴール前でロマンチックウォリアーを差し切る

 2月22日、世界最高賞金レースのG1サウジカップ(ダート1800メートル)がサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた。本稿では、その激闘を振り返りつつ、4月5日のG1ドバイワールドカップ(ダート2000メートル)へ向けた展望を探る。

 ビッグタイトルを掴んだのは、フォーエバーヤング(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。道中は好位2、3番手で進めると、最後の直線では先に抜け出した香港のロマンチックウォリアー(セン7歳、シャム厩舎)を猛追。残り200メートル過ぎからは2頭による激しい追い比べとなった。そして最後の最後、フォーエバーヤングがクビ差の接戦を制した。

 ロマンチックウォリアーは2着。初ダートながら抜群の先行力と持続力を存分に発揮し、簡単には先頭を譲らなかった。ドバイワールドカップでの走りが見られないのは残念だが、G1ドバイターフ(芝1800メートル)でのパフォーマンスを楽しみにしたい。

 ウシュバテソーロ(牡8歳、美浦・高木登厩舎)が最後方から追い上げて3着。ウィルソンテソーロ(牡6歳、美浦・高木登厩舎)は4着、ラムジェット(牡4歳、栗東・佐々木晶三厩舎)は6着だった。

 レースの流れは平均ペース。前半800メートル48秒09は、2023年の45秒85、2024年の46秒01に比べて約2秒遅い。過去2年はハイペースで、差し・追い込み馬に有利な展開だった。

 しかし、今年は平均ペースで進んだにもかかわらず、1着馬と2着馬以外の先行勢は粘りを欠いた。特にハナに立ったウォークオブスターズ(セン6歳、首・シーマー厩舎)は12着と、有力候補と見られていた割には案外だった。結果的に展開うんぬん以前に、フォーエバーヤングとロマンチックウォリアーの能力が他馬より大きく抜けていたのだろう。

 ウシュバテソーロの3着は、8歳の年齢を考慮すれば驚異的だ。さすがは2023年のドバイワールドカップ優勝馬といった末脚だった。ただし、勝ったフォーエバーヤングとの着差はクビ+10馬身半。決定的な差がついており、ウィルソンテソーロ、ラムジェットも含めて逆転は望みづらいか。

 フォーエバーヤングは最新のワールドベストレースホースランキングで首位。このサウジカップの内容にレーティング128が付与され、日本のダート部門で長らくトップにいたクロフネの125を超えた。さらなる高みを目指して、ドバイワールドカップに臨むことになる。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。4月5日(土)24時からラジオNIKKEI第1で放送される「ドバイワールドカップデー実況中継」に出演予定。

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