◆第83回菊花賞・G1(10月23日、阪神競馬場・芝3000メートル)
今年の菊花賞・G1(23日、阪神)は65年ぶりに春の牡馬2冠連対馬が不在の混戦模様。ドゥラドーレス(美浦・宮田厩舎)は祖母がディープインパクトの妹で曾祖父はサンデーサイレンス系の長距離砲ダンスインザダーク。母系の魅力を「母を訪ねて」でチェックする。
ドゥラドーレスの血統の魅力はドゥラメンテ産駒というだけではない。母ロカは重い喉鳴りの症状のためキャリア6戦で引退したが、新馬戦で圧倒的なパフォーマンスを披露し、続く阪神JF・G1で1番人気に支持された(8着)。3歳時にはG3で3着。オープンの忘れな草賞ではミッキークイーンを相手に0秒1差の2着。初距離の2000メートルで次戦のオークスを制した馬に肉薄した結果こそが、長距離戦への可能性を示している。
祖母ランズエッジは日本最強馬ディープインパクトの半妹にあたり、その父ダンスインザダークは自身が96年の菊花賞を勝っただけではなく、産駒もザッツザプレンティ(03年)、デルタブルース(04年)、スリーロールス(09年)と3頭の菊花賞馬を輩出。長距離におけるサンデーサイレンス系の代表格だ。
宮田調教師は「少し我の強さがあって折り合いの難しさはありますが、母系にダンスインザダークがいますし、そこにドゥラメンテが合わさって、血統的には距離がもちそうな感じもあります」と期待する。全5戦で上がり最速という強烈な末脚も母の面影を感じさせる。一族の悲願成就へ、血統面の不安要素は皆無だ。