【有馬記念】名牝ジェンティルドンナの血が騒ぐ!ジェラルディーナが有馬記念史上初の母子制覇に挑む

本格化を迎えたジェラルディーナは名牝ジェンティルドンナの娘
本格化を迎えたジェラルディーナは名牝ジェンティルドンナの娘

◆第67回有馬記念・G1(12月25日、中山・芝2500メートル)

 オールカマー、エリザベス女王杯と連勝中のジェラルディーナが、有馬記念史上初の母子制覇に挑む。G17勝を挙げた12年の3冠牝馬の母は、14年のラストランで有終の美を飾った。その素質を受け継ぎ、4歳秋に本格化を迎えている娘に「母を訪ねて」で迫った。

 史上初の母子での有馬記念制覇へ。ジェラルディーナが快挙に挑む。14年のラストランで、G17勝目を飾った母ジェンティルドンナが舞った暮れの中山のターフで、ドラマの主役を演じる。

 牝馬3冠を達成した母は、同年のジャパンCでは前年の3冠馬オルフェーヴルとの鼻差の激闘を制した。翌4歳時にジャパンCを連覇し、5歳時にもドバイ・シーマクラシック、有馬記念の国内外G1を2勝した名牝だ。担当していた日迫助手(現・平田厩舎所属)は、石坂正調教師が定年になる昨年2月末まで娘も担当。「似ているのは体幹の強さ。ジェラルディーナもいい馬格をしていたし、来た時からすごい馬だった」。母は474キロでデビューし、引退戦は470キロ。娘は前走のエリザベス女王杯で過去最高馬体重の470キロ。デビューから30キロも増やした馬格の良さ、身体能力の高さを受け継いだが、今の斉藤崇厩舎への転厩前は未勝利戦の1勝。「気が強すぎたかな」と日迫助手が言うように出世を妨げたのは気性面だった。

 だが、徐々に精神面は大人になり、成績も安定した。4歳秋を迎えた2走前のオールカマーでは牡馬相手に重賞初制覇し、続くエリザベス女王杯でG1制覇と充実期に入った。今でもパドックではうるさいが、「折り合いの心配はなくなった」と現担当の団野助手は明かす。「来た時は細かい走りをしていたが、今となっては別馬。ストライドが大きくなった」とフォームの変化からも成長を感じ取っている。

 祖母ドナブリーニはチヴァリーパークS・G1など英国でスプリント重賞2勝。良質なスピードを産駒に伝え、日本で繁殖牝馬としての能力を開花させた。その半妹のリトルブックは日本ダービー馬のロジャーバローズを産んだ。マイルからクラシックディスタンス前後の幅広い距離で活躍できる血統背景。ジェラルディーナにとって今回、初めての2500メートル戦となるが対応は可能。母のように息の長い活躍が見込める血の持ち主だ。

 「頑張ってほしいね」とまな娘を見守るように優しいほほ笑みを浮かべた日迫助手。様々な関係者の思いを乗せ、ジェラルディーナが年末のグランプリに向かう。(戸田 和彦)

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