◆第83回桜花賞・G1(4月9日、阪神・芝1600メートル)
3着の前々走・阪神JFは初めての輸送競馬で、パドックからおとなしく、気合不足で出遅れたドゥアイズ(牝3歳、栗東・庄野靖志厩舎、父ルーラーシップ)。外めの枠だったが、勝負どころでは内に入れ、鞍上が巧みにリードしていた。直線は勢いがつきそうになったところで前が壁になり、外に出して立て直すロス。あれがなければ2着はあった脚色で、リバティアイランドにも迫っていたはずだ。
前走のクイーンCはパドックから気合が乗り、ゲートも五分に出て好位のイン。直線に向いて外に出す際のアクションが大きく、他馬にぶつかりながら伸びた。3着までかと思われたが、残り100メートルで左手前に替え、グイッともうひと伸びして2着を確保。今回、直線まで得意の左手前を温存できる右回りに戻るのはプラスと言える。
各馬の1週前追い切りをチェックしたが、リバティアイランドもハーパーも4角を逆手前で回ったりと、まだまだ粗削り。ドゥアイズは前2走で根性を見せ、小回りの札幌3戦でも崩れず、豊富な経験がG1の激戦で生きると見ている。金曜の雨予報が後ろ倒しになれば、さらにチャンスが広がる。(玉木 宏征)