◆第８３回桜花賞・Ｇ１（４月９日、阪神競馬場・芝１６００メートル）
２３年のクラシック戦線は９日、第８３回桜花賞（阪神）で開幕し、昨年の最優秀２歳牝馬リバティアイランドが始動戦を迎える。阪神ＪＦが牝馬限定となった９１年以降、２馬身半差以上で圧勝したのは４頭目だが、明暗の差は鮮烈だ。ブエナビスタが桜花賞を含むＧⅠ計６勝を挙げた一方、残る２頭はその後ＧⅠを勝てず引退。今年の女王はいずれの道を歩むのかー。馬トク取材班が打倒リバティ候補とともにＶ信頼度を占う。
リバティアイランドは阪神ＪＦを２馬身半差で完勝。牝馬限定になった９１年以降、同レースで２着に２馬身半差以上つけた４頭目の勝ち馬となった。過去３頭はいずれも翌年の桜花賞で１番人気に支持されており、成績は《１》〈６〉〈２〉着。クラシック初戦も制した０９年のブエナビスタは最終的にＧ１を６勝したが、敗れた１２年のジョワドヴィーヴル（６着）と２０年のレシステンシア（２着）は、２つ目のビッグタイトルをつかむことができずターフを去った。
１２年と２０年は、２歳女王決定戦に出走していなかったジェンティルドンナとデアリングタクトが牝馬３冠を達成。前年の勢力図をガラリと変えるニューヒロインの出現があった。今年はどうか。年明けのシンザン記念からトライアルまでを改めて振り返っても、超新星と呼べるまでの存在は現れていないとみる。
現時点でリバティアイランドを「ブエナ級」と断言することはできないが、ペースを問わず強さを発揮している点は心強い。ＪＲＡ最速タイとなる上がり３ハロン３１秒４をマークしたデビュー戦と、追い出しを待たされながらもゴール前の猛追で負けて強しを印象づけたアルテミスＳはスローの瞬発力勝負。一転して速い流れとなった阪神ＪＦは楽に先団直後で流れに乗り、スピードの持続力を発揮して直線半ばで勝負を決めた。
近年の桜花賞はグランアレグリアやソダシが３歳初戦でＶ。休み明けは大きなマイナスにはなっていない。残る不確定要素を挙げるなら道悪になったケースだが、福永助手は「牝馬にしてはしっかりした馬体。苦にせずこなしてくれそうです」と不安視していない。舞台は紛れの生じにくい仁川のマイル。力通りに１冠目をつかむ確率は非常に高い。（吉村 達）
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