【NHKマイルC】オオバンブルマイで初のビッグタイトル奪取へ 岡浩二オーナーが牧場経営に乗り出した狙い

サンデーヒルズの生産馬オオバンブルマイでG1制覇を狙う岡浩二氏(左)。武豊(右)、吉村調教師とのタッグだ
サンデーヒルズの生産馬オオバンブルマイでG1制覇を狙う岡浩二氏(左)。武豊(右)、吉村調教師とのタッグだ
18年開場のサンデーヒルズ。海から手前に向けて、3~4%の勾配がついている(岡浩二氏提供)
18年開場のサンデーヒルズ。海から手前に向けて、3~4%の勾配がついている(岡浩二氏提供)

◆第28回NHKマイルC・G1(5月7日、東京競馬場・芝1600メートル)

 G1初制覇が頻発するレースとして知られるNHKマイルC(7日、東京)では、生産牧場サンデーヒルズ(北海道新ひだか町)がオオバンブルマイで初のビッグタイトル奪取に挑む。代表は馬主として21年エリザベス女王杯(アカイイト)のタイトルを持つ岡浩二氏(58)。牧場経営に乗り出した狙いを、玉木宏征記者が聞いた。

 オオバンブルマイの生まれ故郷サンデーヒルズは、18年に開場したばかりの新進気鋭の生産牧場。同馬の馬主でもある岡氏は馬主業を続けるうちに、牧場経営への意欲を駆り立てられたという。

 「セリで買っているうちに、自分の思うような血統、生産技術で色を出したいと思うようになったのが一番です。繁殖牝馬をいろいろな牧場に預託していて、頭数が増えてきたというのもありました」

 16年に土地を購入。本業が土木工事業者である強みも生かし、電気も水道も一から引いて完成させた。

 「(当時のビッグレッドファーム代表で故人の)岡田繁幸さんに土地を交換してもらいました。その時に初めて岡田さんと話をさせてもらいました。我々は建設会社なのでやり切る自信はありましたが、本当にジャングルみたいな土地。完成時は繁幸さんに『よくこんなにきれいな牧場を作ったね』と、お褒めの言葉をもらいました。海が見えて、ものすごくきれいですよ」

 現4歳世代が初年度の生産馬ながら、アネゴハダが昨年の桜花賞に出走(15着)。現3歳世代もオオバンブルマイのほかに3日の兵庫チャンピオンシップ・交流G2に出走するキリンジがおり、2世代で15頭がデビューして8頭が勝ち上がっている。岡氏は「怖いぐらい順調。出来すぎ」と笑いつつ、好調の理由を明かす。

 「坂のある牧場を作りたかったというのはあります。放牧地から厩舎に帰ってくるまで、勾配3~4%の上り坂が約400メートルあるんです。離乳してからはそこを駆け回るので、基礎体力がつきますよね」

 現在は馬主として所有した重賞ホースのアカイイトやヨカヨカなど、繁殖牝馬24頭が在厩。9人のスタッフが丹念なケアにあたる。岡氏が師と仰ぐ、ノースヒルズ・前田幸治代表からの助言や協力も大きい。

 「9人は多いと思いますが、そのぶん手をかけられます。やっぱり一番の秘けつは、スタッフが頑張ってくれていることです。エサは前田会長に『ウチのにした方がいい』と言ってもらって使わせてもらっていますし、馴致はチームプレアデス(北海道浦河町)、育成は前田会長の大山ヒルズ(鳥取県)にお任せです」

 馬主としてはアカイイトの21年エリザベス女王杯でG1初勝利。今週末の夢は、自家生産馬でのG1初勝利だ。

 「勝ったらとんでもないことになりますよね。ノリちゃん(横山典騎手)は『G1を取るには、実力もだけど最終的には運』、前田会長は『実力がないと運も引き寄せられない』と常々言っています。実力と運とを兼ね備えたら、おのずといい結果が出るのかなと。ファンの皆様に大盤振る舞いしたいので、ご声援よろしくお願いします」(聞き手・玉木 宏征)

 ◆岡 浩二(おか・こうじ)1965年1月2日、大阪市城東区生まれの58歳。株式会社ランテック(本社・大阪市城東区)代表取締役。地元の建設会社に就職し、23歳で岡組土木を創業。95年にランテックに社名変更した。38歳で馬主業に参入。家族は妻と1男1女。

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