◆第90回日本ダービー・G1(5月28日、東京競馬場・芝2400メートル、良)
史上8頭目となる無敗の2冠馬誕生はかなわなかった。単勝1・8倍の支持を集めたソールオリエンスはスタートを決めると6番手を確保。直線では先に抜け出した勝ち馬を追って懸命に末脚を伸ばしたが、首差届かず2着に敗れた。
横山武は、鼻差に泣いた21年のエフフォーリアに続いてあと一歩のところで勝利を逃し、「1番人気に応えられず申し訳ない」と謝罪。「バランス的に内にささるところがあった。そういう意味では古馬になってからの馬ですね。それに、思ったよりスローペースになってしまい、勝ち馬に有利だった」と、力なく敗因を分析した。
史上5人目のクラシック完全制覇が懸かる大一番だった手塚調教師にとっても、悔しい敗戦だ。「スタートが決まれば中団かなと思っていました。ペースが遅く、ヨーイドンの競馬になってしまった。脚は使っているが、最後は少しあっぷあっぷしていました」と唇をかんだ。今後については「何も決められないです。まずはオーバーホールしてからです」と述べるにとどめた。まだ成長の余地が十分にあるキタサンブラック産駒。秋以降の巻き返しに期待したい。(角田 晨)