20日に急逝した船橋競馬所属の左海誠二調教師(享年48)=写真=の死因は、急性心筋梗塞だったと千葉県競馬組合が21日発表。一夜明けたこの日の川崎開催では多くの関係者が、騎手として通算2185勝(うちJRA9勝)、そしてトレーナーとして歩み始めていた名手との突然の別れを惜しんだ。
左海さんが騎手時代に所属し、マキバスナイパーで00、02年浦和記念を、ヒミツヘイキで02年ユニコーンSなどを制すなど、数々の成果をともに挙げてきた岡林光浩調教師(68)は「自分の名前を全国区にしてくれた」と感謝の言葉を口にした。「厩舎の一番いい時に調教をつけ、レースにも乗ってくれた。頼もしい存在だった。これからなのに…」と肩を落とした。
同じ船橋所属で、仕事ぶりを間近で見てきた森泰斗騎手(42)も「ビックリしたし、ショックが大きい。人に対しても、仕事に対しても真っすぐな人だった。船橋競馬にとって惜しい人を亡くしてしまった」と訃報に驚きを隠せなかった。左海さんが調教師転身前に騎乗していたヒーローコールの手綱も現在、任されており「誠二さんが乗っていた馬を引き継がせてもらった。残された自分たちが、しっかりやるしかない」と尊敬する先輩の早すぎる死を悼んだ。
5月24日付で開業した左海厩舎の全2勝(25戦)を挙げた笹川翼騎手(29)は、「誠二さんは、僕のことを評価してくれて、会うと『もっと、こう乗ったほうがいい』など、いろいろな話をしてくれた」と振り返った。「初勝利も2勝目も僕が乗った馬だった。それに、今週の重賞(スパーキングサマーC)で乗るポリゴンウェイヴは、誠二さんが騎手時代に乗っていた馬。すごく縁を感じていたし、これから、たくさんお世話になるのだろうと思っていた。まだ、現実味がない」と無念の思いを語った。
川島正太郎千葉県騎手会会長「前会長であり、とても頼りになる存在だった。これから、もっと厩舎を大きくし、船橋競馬を盛り上げてくれると思ってた。突然のことで、信じられない」