【JBCクラシック】キングズソード初のG1挑戦で圧勝V モレイラ騎手「直線は気持ち良かった」

G1馬3頭を相手に4馬身差の完勝を収めたキングズソード
G1馬3頭を相手に4馬身差の完勝を収めたキングズソード

◆第23回JBCクラシック・交流G1(11月3日、大井・ダート2000メートル=良)

 ダート競馬の祭典、JBC競走が3日、大井競馬場と門別競馬場で開催された。メインのクラシックは4番人気のキングズソード(モレイラ)が2度目の重賞、初のG1挑戦でいきなりビッグタイトルを獲得した。

 新星の誕生だ。モレイラと新コンビを組んだ4番人気のキングズソードが、初の重賞制覇を初めて挑んだG1の大舞台でやってのけた。自身も交流G1初勝利となった“マジックマン”は日本語で「ありがとうございました」と感謝した後、「全然プッシュしないで、自然に好位の3番手から競馬ができた。直線は気持ち良かった」と涼しい顔で笑った。

 スタートを決めて外の好位を追走。ノットゥルノ、テーオーケインズとG1馬2頭の外を回って横一線で迎えた直線は、ほんの一瞬の併走で2頭を突き放した。連覇を狙ったテーオーケインズ、G1連勝中のメイショウハリオなどを全く寄せ付けず、4馬身の圧倒的な差でゴールイン。鞍上は「直線もいい脚を見せてくれた。非常に強かったです」と、4歳馬の底力をたたえた。

 血のバトンがつながった。寺島厩舎は全兄キングズガードも管理。17年のプロキオンSで厩舎に初タイトルをもたらした馬だ。G1は7度の挑戦で勝利には届かなかったが、今度は全弟が厩舎にG1初制覇をプレゼントしてくれた。寺島調教師は「うれしいけど、驚きの方が大きいかな。初めて重賞を勝たせてもらったお兄さんの弟で勝たせてもらって良かった。馬は落ち着いて精神的に良くなった」と成長に目を細めた。

 まだ4歳で今回が13戦目。今後は未定だが、暮れの東京大賞典(12月29日、大井)などビッグレースが視野に入る。「この1年で一気に良くなった。ここからさらに良くなると思う」と寺島師。シニスターミニスター産駒の新星が、ここからダート界をけん引していく。(松末 守司)

 ◆キングズソード 父シニスターミニスター、母キングスベリー(父キングヘイロー)。栗東・寺島良厩舎所属の牡4歳。北海道浦河町・日進牧場の生産。通算13戦7勝(うち地方1戦1勝)。総獲得賞金は2億949万1000円(うち地方1億円)。重賞初制覇。馬主は(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン。

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