坂井瑠星、レモンポップと挑む 史上4頭目の同一年ダートG1ダブル制覇への思い【Shooting Star 特別版】

チャンピオンズCで手綱を執るレモンポップへの思いを語った坂井
チャンピオンズCで手綱を執るレモンポップへの思いを語った坂井

◆第24回チャンピオンズカップ・G1(12月3日、中京・ダート1800メートル)

 第24回チャンピオンズC・G1(12月3日、中京)でレモンポップが史上4頭目の同一年でのフェブラリーSとのダブル制覇に挑む。手綱を執るのは坂井瑠星騎手(26)=栗東・矢作厩舎=。今秋から開催日に連載中の大好評コラム「特別版」で、大一番への気持ちを語る。

 チャンピオンズCで、レモンポップとのG13勝目を目指します。フェブラリーSからコンビを組ませてもらい、いいタイミングで乗せてもらったと思います。これだけの馬に続けて乗れるのはありがたいですし、やっぱり結果で応えたいという思いが強いですね。

 2走前はドバイ・ゴールデンシャヒーンに挑戦しました。日本人がドバイのG1で、ゴドルフィンの所有馬に乗るのは史上初のこと。ドバイは何回も行ってますし、21年には実際に本場のゴドルフィンで調教に乗ったこともあります。ですが、あの場でゴドルフィンの馬でG1に出るということは、自分の中でありえないこと。結果(10着)は残念でしたが、本当に誇らしかったですし、いい経験をさせてもらいました。

 根岸Sを使ってフェブラリーS。そこから海外、1200メートルと初めての条件がたくさんあり、ドバイでは力を発揮できませんでした。ですが、立て直してまた南部杯を勝ちましたし、本当にすごい馬です。休んでいる時間は長かったですが、牧場や厩舎でしっかり走れる状態にしてくれました。

 前回はむしろパワーアップしているんじゃないかと思いましたし、本当につかまっているだけ。騎手人生で、あんなに楽にG1を勝てることはなかなかないと思います。想像以上の強さで、改めてすごい馬に乗せてもらっているな、と。それにふさわしいジョッキーになり、ふさわしい騎乗をしなきゃいけないという責任感もあります。

 レモンポップは、基本的な能力が高いのはもちろんです。やっぱりG1レベルになると、一つの欠点、弱点というのが最後の差につながってくると思いますが、それがないのが一番いいところだと感じています。

 チャンピオンズCはやっぱりすごいメンバーがそろいました。一番は相手どうこうよりも、この馬自身が1800メートルの距離、コーナー4回の競馬が初めてなので、そこをどこまでこなせるかです。ベストはもう少し短いところでしょうし、ワンターンしか経験していないので、かなりの挑戦だと思います。こればっかりは、やってみなきゃ分かりません。乗る側としては、この馬を信じて乗るだけです。(JRA騎手)

 ◆23年ドバイ・ゴールデンシャヒーンVTR フェブラリーSからコンビ継続で海外G1に挑戦した。序盤は中団につけたが、初の1200メートル戦かつ世界の一線級が相手になり、ハイペースに苦戦。10着に敗れた。レモンポップを所有するゴドルフィンは、ドバイのモハメド殿下が管理する馬主・生産組織。海外の一流騎手と主戦契約を結んでいるため、お膝元であるドバイのG1で、所有馬に日本人が騎乗するのは史上初だった。

 ◆フェブラリーSとチャンピオンズCを同一年に制した馬 JRAのダートG1は上記2レース。チャンピオンズC(※13年までジャパンCダート)が創設された2000年以降、両レースを同一年に制したのは00年ウイングアロー、11年トランセンド、17年ゴールドドリームの3頭のみ。レモンポップが勝てば4頭目となる。

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