昨年10月の萩S・リステッドを制したルシフェル(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父ハーツクライ)。サートゥルナーリア(18年)やダノンスコーピオン(21年)など、のちのG1馬を輩出する出世レースで、1800メートルになった02年以降、牝馬が勝ったのはが初めてだ。テン乗りの川田将雅騎手が「まだ精神面で幼く、急に進めなくなったりします。色々な面が徐々に成長してくれば」と指摘したように、道中でハミを取ったり取らなかったりと幼い面を見せながらの勝利だった。
そんな気性でもあり、戦前から忙しいと思われたマイル戦で迎えた阪神JF。あおるようにスタートし、道中は包まれて少し窮屈な競馬だった。直線はエンジンがかかったところで前が詰まり、外に切り替えるロス。スムーズなら4着はあったレースだった。それでも担当の嶋津助手は「ハミは取っていました」と収穫はあったことを明かす。
クロノジェネシス、キラーアビリティ、ジェラルディーナとG1馬を間近で見てきた斉藤崇厩舎のスタッフが「秘めてる能力はかなり高い」「いい心臓をしている」と絶賛する素質馬。成長した姿でオークス路線を戦うのが今から楽しみだ。(玉木 宏征)