【2023年レース回顧・角田】外国人ジョッキー全盛の時代を象徴するタスティエーラの日本ダービー制覇

ダービーを制したタスティエーラ
ダービーを制したタスティエーラ

◆日本ダービー・G1(5月28日、東京・芝2400メートル、18頭立て=良)

 タスティエーラ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎、父サトノクラウン)は、ダービー馬となっても世代の中心という感覚が薄い。23年クラシックを思い出すとき、最初に出てくるのは皐月賞のソールオリエンスか、菊花賞のドゥレッツアだろう。レースのパフォーマンスが残り2冠のほうが派手、というのもあるがやはり騎手の存在は大きい。

 ソールオリエンスは菊花賞まで横山武史騎手がずっと乗っていたし、ドゥレッツアも6戦中4戦がルメール騎手でコンビという印象が強い。だが、タスティエーラはライアン・ムーア騎手、福永祐一元騎手、松山弘平騎手、そしてダービーがダミアン・レーン騎手と、そこまでに4人も騎乗している。特にダービーはレーン騎手のテン乗り。初コンビで勝つのは、1954年ゴールデンウエーブと岩下密政騎手以来という歴史的快挙だった。ドウデュースと武豊騎手しかりファンはどうしても騎手と馬の物語を重視するが、強い馬に名手が乗ればそんなものは関係ない、と言わんばかり。競馬の新しい扉を開いた勝利だったといえるだろう。

 その後も菊花賞はジョアン・モレイラ騎手、有馬記念はムーア騎手と鞍上をめまぐるしく替えている。それでも大崩れはせず、一線級の活躍を続けるタスティエーラ。外国人ジョッキー全盛の時代を象徴する、新時代のダービー馬だ。(角田 晨)

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