競馬人生55年 ナイスネイチャ、ウインバリアシオンなどとの思い出を胸に、まな弟子とラスト重賞に挑むトレーナー

ラプタスとかきつばた記念に挑む松永昌調教師(左)と森一
ラプタスとかきつばた記念に挑む松永昌調教師(左)と森一

 今週末で定年引退を迎える調教師を取り上げる連載「ラストタクト」最終回は、ナイスネイチャの主戦としても活躍した松永昌博調教師(70)=栗東=。

 引退が迫っても、いつも通りの柔和な表情は崩さなかった。松永昌調教師は中学卒業後、15歳で競馬の世界に入って55年。「早かったけど、思い出はたくさんあるね」。今週がラストウィークになるが、今日29日にも“ビッグイベント”が控える。最後の重賞挑戦の可能性もある、交流重賞のかきつばた記念(名古屋)にラプタスを送り込む。

 鞍上は弟子の森一。主戦・幸の進言もあって今回のコンビが決定した。「昨年の忘年会で、『(森一に)乗せてあげたらどうですか?』と言ってくれてね」。オーナーサイドにも了承を得て、実現することに。「やっぱり気持ちは違うよね。最後だから無事に、と言う思いもあるけど頑張ってほしいね」とほほ笑んだ。

 騎手時代はナイスネイチャの主戦を務めた。1991~93年の有馬記念で3年連続3着に好走し「ブロンズコレクター」としてファンに愛され、最近はウマ娘のキャラクターとしても脚光を浴びた。「引退してからも注目されてありがたかった」。昨年5月にこの世を去ったが、けい養先だった北海道浦河町の渡辺牧場では呼べば寄ってくる人懐っこい馬だったという。「最後は生まれ故郷に帰れたし、大往生だったんじゃないかな」と懐かしんだ。

 調教師になってからの記憶に残る一頭は、ウインバリアシオン。G12着4回と、こちらも“善戦マン”だった。「同世代に一頭強いの(オルフェーヴル)がいたからね」。G1には手が届かなかったが、種牡馬入り。「長く種牡馬を続けてほしいね」と願った。

 引退後は、ゆっくりとした時間を過ごすことになりそうだ。「朝から飲むぐらいしかないかな」とジョーク交じりに笑ったトレーナー。今後も弟子の森一や小沢、そして自らが手がけた馬を温かい目で見守っていく。(戸田 和彦)=おわり=

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