JRAの小牧太騎手(56)=栗東・フリー=が4月11日、園田競馬場で行われたJRA交流競走「神鍋山特別」を含む当日のレース騎乗後、古巣である兵庫県競馬に復帰したい意向を明らかにした。実現すれば地方からJRAへ移籍し、再び地方に復帰するのは史上初となる。
1985年に兵庫で騎手デビューし、2004年にJRAに移籍。G1・2勝を含む通算910勝をマークしたが、近年は勝利数、騎乗数とも減少していた。そうしたなか、今年3月28日に1年8か月ぶりに園田競馬場で5鞍に騎乗。メインの重賞「ネクストスター西日本」で兵庫では20年ぶりとなる重賞勝利を含む2勝を挙げた。「いい馬に騎乗できればまだまだ勝てます」と、現役続行の手応えをつかみ、関係者からも「戻ってこいよ」と声をかけられた。熟慮の末、リーディング騎手に10度輝くなど思い出の地に復帰する道を選んだ。
JRA移籍時に地方競馬の騎手免許を返上しており、復帰にあたり再取得する必要がある。すでに令和6年度第1回騎手免許試験の願書を提出。5月11日に行われる第一次試験(筆記試験)に臨む。これに合格すると7月4、5日に実施される第二次試験(面接、実技試験)に進み、ここもクリアできれば晴れて免許を再取得。最短で免許が交付される8月1日から騎乗を開始できる。
受け入れ側の兵庫県競馬組合は免許再取得後に正式な対応を示す方針。兵庫県調教師会と兵庫県騎手会はともに小牧太騎手の復帰に肯定的で、再び兵庫競馬所属となって騎乗することへの障害はないとみられる。
◆小牧 太(こまき・ふとし) 1967年9月7日、鹿児島県生まれ。56歳。兵庫競馬所属の騎手として85年10月にデビュー。兵庫リーディング騎手になること10回。94、96年にはNARリーディング騎手に輝いている。3376勝を挙げて2004年にJRAに移籍。移籍後は2008年桜花賞をレジネッタ、2009の朝日杯FSをローズキングダムで制するなどG12勝、JRA通算910勝を挙げている(4月11日現在)。息子は同じくJRA騎手の加矢太。弟は兵庫の毅調教師。