【こちら日高支局です・古谷剛彦】父エピファネイアの雪辱果たしたダノンデサイル

 エピファネイア産駒のダノンデサイルが内ラチ沿いの狭い所を抜け出し、キズナ産駒の皐月賞馬ジャスティンミラノを下し、91代ダービー馬に輝いた。先週のコラムでも触れたが、「ダービー馬は、ダービー馬から」という格言がある。キズナとエピファネイアの激闘から11年が経ち、その舞台で、息子たちが雌雄を決し、エピファネイア産駒が雪辱を果たしたシーンは、まさに競馬の醍醐(だいご)味でもある。

 種牡馬入りしたエピファネイアは、16年から21年まで、種付け頭数は6年連続で200頭以上を記録している。3歳世代はキャリアハイとなる240頭と交配し、血統登録も160頭と最多を誇る。その中で、桜花賞馬ステレンボッシュとともに、ダノンデサイルのダービー制覇で牡牝のクラシックホースを送り出した。2歳世代は、種付け料が前年の2倍となる1000万円にアップしながら、218頭の繁殖牝馬を集め、150頭が血統登録されている。

 リーディングサイアー争いで3位のエピファネイア産駒は5月になると、テンハッピーローズがヴィクトリアマイルを制し、ダノンデサイルの日本ダービーを優勝するなど、首位キズナに約4億8700万円差まで一気に追い上げた。4位ドゥラメンテに約6億2800万円差もつけたので、今年のリーディング争いはキズナ、ロードカナロア、エピファネイアの3頭に絞られた。キズナは、2歳世代がハイレベルな上に136頭が血統登録されており、2位ロードカナロアも2歳世代の血統登録は111頭と多く、大阪杯を制したベラジオオペラなど古馬陣の層が厚い。

 JRAでも今週から2歳戦がスタートする。新種牡馬で言えばナダル産駒の仕上がりが早く、2日の東京・芝1400メートルでカルデライト(牝2歳、美浦・森一誠厩舎)がデビューを控えるなど、開幕週から賑わせてくれそうだ。(競馬ライター)

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