◆凱旋門賞・G1(10月6日、仏パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
第103回凱旋門賞・G1(6日、パリロンシャン競馬場=JRA海外馬券発売対象レース)で、日本から参戦するシンエンペラーにとって最大のライバルになるのがフランスのソジー。前走のニエル賞・G2を現地で取材し、海外競馬に詳しいフリーライターの土屋真光氏が、その強さに迫った。
先月15日のニエル賞前の段階では、欧州主要ブックメーカーの前売りオッズは軒並みルックドゥヴェガが1番人気で、ソジーは数頭いる2番手評価の1頭でした。しかし、その前哨戦でルックドゥヴェガを下すと一気に評価が逆転。目下(1日現在)の1番人気となっています。
ソジーの強みはなんといっても、パリ大賞・G1、ニエル賞と、凱旋門賞と同じ舞台であるパリロンシャンの芝2400メートルで連勝していることです。近年、この両レース、特にニエル賞の勝ち馬は苦戦する印象が強いですが、パリ大賞が現在の距離になった05年以降、両レースを連勝した馬は3頭。続く本番では06年レイルリンクはディープインパクトなどを下して勝利、09年キャバルリーマンは3着、10年ベーカバドは4着といずれも好走しています。
ソジーが2レースを制した際の馬場状態を表すペネトロメーター(馬場硬度計、3・2まで良、3・3、3・4が稍重、4・5までが重)の数値は3・5ないし3・6。3着に敗れた仏ダービーが4・2でした。当日の馬場状態(フランスの重馬場は3段階に分かれている)には注意が必要です。
「今日はルックドゥヴェガが前に行ってくれたこともあり、リラックスして走れたのがよかった」とニエル賞のあとに鞍上のギュイヨン騎手が話していました。行き脚がつきやすい反面、少しかかりやすい点もありましたが、この点も前走で解消されたようです。
何より、管理するAファーブル調教師は凱旋門賞で最多の8勝。ニエル賞同様に「フォワ賞勝ち馬は勝てない」というジンクスも19年のヴァルトガイストで打ち破った再現を果たしても不思議ありません。(土屋 真光)
《ニエル賞2着馬&3着馬も大一番へ虎視たんたん》
ニエル賞で2着だったデリウスは終始勝ち馬のソジーをマークする競馬。ここ2戦はソジーの前に敗れていますが、デビューから3連勝で臨んだパリ大賞では1番人気に推されていました。ニエル賞後、騎乗したメンディザバル騎手は「初めて乗ったけど、いい馬ですね。今日はまだベストの反応ではなかったと思うし、今回を使ったことでグンとよくなるはず」と手応えを見せていました。
圧倒的な支持を受けながら、逃げる競馬で3着となり、初黒星となったルックドゥヴェガについては、レルネール調教師は「ベストより太いし、まだまだ仕上がり途上。ここを叩いたことで次は仕上がります」と連勝ストップにもサバサバした表情でした。
ヴェルメイユ賞を勝ったブルーストッキングは予備登録がなく、先週追加登録で出走の報道。レース後にベケット調教師は「この距離と力の要る馬場が合ってる。英チャンピオンズフィリーズ&メアズSと両にらみだけど、こちらにする可能性もあるよ」と含みを持たせていたのが、実現しそうです。(真)