◆第29回東京スポーツ杯2歳S・G2(11月16日、東京競馬場・芝1800メートル、良)
第29回東京スポーツ杯2歳S・G2は16日、東京競馬場で行われ、1番人気のクロワデュノール(北村友)が無傷2連勝での重賞初制覇を飾った。同じキタサンブラック産駒で、21年の覇者イクイノックスなど数々の名馬を送り出してきた出世レースで、今年も逸材が輝いた。
堂々、クラシックの主役に踊り出た。1番人気のクロワデュノールが、無敗でスターダムにのし上がった。直線は逃げ粘りを図るサトノシャイニングとの一騎打ち。最後は3/4馬身差をつけ、力でねじ伏せた。北村友は「まだ100点満点じゃないというのは、出走するにあたっても思っていましたが、しっかりと強い競馬で勝ちきってくれた。本当にこの馬のポテンシャルを感じます」と強さをたたえた。
勝負どころは見逃さない。道中3番手の外めを進んだが、スローペースの流れを読んで3、4角途中で踏んでいき、直線入り口では逃げ馬に外から並びかけた。長いたたき合いだったが、最後は漆黒の馬体を目いっぱい伸ばし、勝利をつかんだ。サンデーレーシングの吉田俊介代表は「3コーナーから動いていったのはプラン通り」と納得した。
過去に無敗の3冠馬コントレイル、世界的名馬になったイクイノックスなどそうそうたる名馬が巣立ったクラシックへの登竜門を突破。父キタサンブラックはそのイクイノックスと同じ。馬体重24キロ増で万全とは言えないなかでの完勝劇も相まって期待感は否応なしに高まる。斎藤崇調教師はバーレーン出張中で次走は未定だが、同代表は「背も伸びて変わってきている状況」とまだまだ伸びる器だ。馬名の由来は、はくちょう座を意味する北十字星。出世レースから世代の頂点へ羽ばたいていく。(松末 守司)
◆クロワデュノール 父キタサンブラック、母ライジングクロス(父ケープクロス)。栗東・斉藤崇史厩舎所属の牡2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金4551万5000円。重賞初勝利。馬主は(有)サンデーレーシング。