【有馬記念】注目は激流だった菊花賞は参考外のダービー馬&ジャパンCより条件好転する23年天皇賞・春V馬

アーバンシック(手前)が強さを見せつけた菊花賞
アーバンシック(手前)が強さを見せつけた菊花賞

◆第69回有馬記念・G1(12月22日、中山競馬場・芝2500メートル)

 有馬記念(22日、中山)の「考察」前哨戦編は、角田晨、ヤマタケ(山本武志)の両担当が菊花賞とジャパンCで敗れた馬に注目した。

 ヤマタケ(以下「ヤ」)「過去10年の勝ち馬10頭中8頭がジャパンC、天皇賞・秋、菊花賞から転戦した組。ただ、悩ましいんだよなぁ」

 角田(以下「角」)「何がですか?」

 ヤ「今年は天皇賞・秋、ジャパンCの2つと菊花賞は驚くほどに対照的な競馬だった」

 角「スローからの瞬発力勝負だった古馬の2レースに対し、菊花賞は終始緩みのないラップで、近年では珍しいほどの消耗戦になった。ただ、極端な競馬だったから一変可能な狙い馬は分かりやすいですよね」

 ヤ「ふ~ん、何か狙い馬がいそうやな」

 角「菊花賞で人気を落とすなら、ダノンデサイルは妙味ありでしょう。序盤は先団のインを確保しましたが外へ出せず、徐々に激流にのまれて後方へ。内枠が災いしました。4角15番手という絶望的な位置からでも最後の伸びは素晴らしく、6着でも後続には7馬身差。力がないとできないパフォーマンスです」

 ヤ「横山典騎手もレース後に『最悪の流れ』と振り返っていたな。けど、器用さが求められるトリッキーな中山なら前走みたいなこともあるんじゃないの」

 角「重賞初制覇は同じ中山の京成杯。追い込んできたアーバンシックとそん色ない脚を使っていたから問題ないでしょう。間隔的にも理想的だと思います」

 ヤ「俺は王道のJC組からジャスティンパレスかな。ディープインパクト産駒だけど瞬発力が武器ではなくて、長くいい脚が持ち味。昨年の天皇賞・春など重賞3勝は、すべて上がり34秒台だからね。ここ2走は不向きな展開だったと思う。恐らく有馬ではレースの上がりが33秒台という競馬はあり得ない。明らかに条件は好転する」

 角「この馬はコーナリングがどうなのかなと思うんですよ」

 ヤ「そうかな。昨年の天皇賞・春はうまく立ち回っての勝利だし、全く気にならないけど」

 角「いずれにせよ、今年は各レースの性質をしっかり把握しないといけないですね」

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